改めて絞りを考えてみた & 気まぐれで夕日を見に行ったら大混雑だった岡本桟橋(1)
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改めて絞りを考えてみた
カメラをやっていて結構悩ましいのが絞り値だと思います。開放F値の数字が小さい明るいレンズで撮っていても、開放F値が大きい望遠レンズを使っていてもそれなりに悩ましいところがあると思います。
どこかの芸人ばりに「そんなの関係ねぇ!」っていう人もいるでしょうし、「私は(僕は)すべて開放で撮る」という人もいるでしょう。
そんな悩ましいと感じる絞り値ですが、よく言われるのが「開放から2段絞りがそのレンズの最高画質が出せる」というもので、私も初心者の頃、写真をやっている先輩から教わったことがあります。
これは開放にすることで、レンズの前玉の多くの面積を使うために収差が起こりやすく、周辺の光量落ちも発生しやすくなります。その辺りの収差を防ぐためには2段くらい絞ると、解像度が上がって高画質になる。というようなことらしいです。
ただ、趣味の世界なので光量落ちが好きな人もいるでしょうし、画質、言われても。。。という人もいるかも知れません。個人的には出てきた撮影結果が気に入れば何でも良いんですが。。。
しかし絞ったほうが画質が良い、というのはなんとなく言われていたことなので意識的に絞る時もありますね。そんな折、Youtubeを見ていたらとあるプロカメラマンが基本は開放で撮る。と言っていて驚きました。
実際には撮るものや道具によっても変わってくるので、一概に「絞らなければだめ」とか「開放が良い」とは言えないケースも多いです。例えば絞るカメラマンに多いのは、風景写真や物撮り写真を撮る人で。
開放やそれに近い絞りで撮る人に多いのが、ポートレートや接写撮影などですね。絞る系の人は結構絞っていてf/16とかで撮っています。開放寄りの人はそのレンズの開放値、または開放に限りなく近い絞りで撮っています。
あと、オールドレンズの中には絞ると暗くなってファインダーが見にくくなり、ピントの合わせも難しくなるために開放で撮らないと厳しい。というレンズがあると聞いたことがあります。
まあ開放ばかりで撮っていると、明るすぎてシャッターが切れないこともあるので、そういう時や周辺減光を抑えたい時などはある程度絞ったほうが良いと言えると思います。
要は好きに撮れば良いと思うんですが、せっかく明るいレンズを使っているんだから開放で撮らないといけない。みたいな考えは捨てるべきですね。
例えば開放f/5.6のレンズのf/5.6と、開放f/2.8のレンズのf/5.6では明らかに後者のほうが美しい画を残してくれます。これは明るい(高い)レンズは、使われているガラスの質や精度が高いためです。
Youtubeで見たプロカメラマンの絞りの話をキッカケに、改めて自分なりに絞りを考えてみました。絞りの使い方を覚えてくるとカメラを操っている感覚にもなれますが、使用機材や撮影環境でも変わりますので、これからも悩ましいところです。
気まぐれで夕日を見に行ったら大混雑だった岡本桟橋(1)
豊洲にロケ撮に行ったあと、すぐにでも都内での撮影をしたいと思ったのですが、異常なほど(当社比w)の仕事量に圧倒されて時間が作れなかったので、近場での撮影を考えていました。
最近は、朝日を撮る機会が多かったので、たまには夕日を、と考えました。個人的には朝日は外房、夕日は内房、ということで内房の夕日がきれいそうなスポットを思い浮かべていました。
木更津にも有名な夕日スポットがありますが、何度も行っているし気分転換程度には走りたいので、違った場所にしたいと考え、南下しようと思いました。
そこで、木の桟橋がある南房総市、原岡海岸の岡本桟橋に行ってみようと思い立ちました。一般道を使って片道約1時間なので、ちょっと遠いとは感じましたが、スイッチが入っちゃったので行ってみます。
正直、夕焼けが見られるのか、ましてや富士山が見られるのかなど、当然ですが家を出るときには想像もつかなかったので、夕日も富士山も撮れなかった場合は、木の桟橋だけでも撮ってこようと出かけました。
現場に着くと、夕焼けと富士山のシルエットが美しく見えていましたが、逆に良い景色過ぎたのか、それともいつもそうなのかは分かりませんが、人、人、人で混雑していました。
木の桟橋などは、木の板が抜けるんじゃないかと思うほど人が乗っていて、桟橋の左右の砂浜には一眼レフで三脚を立てている人からスマホで撮る人まで、多くの人がいました。
人が多い、というか撮影している人が多いところに入ってしまうと、思いっきり萎える私なので、行く前は三脚を使ってじっくり撮ろうと考えていましたが、手持ちでサラッと撮る作戦に切り替えました。
例によってカメラ任せで撮ると、夕方でも明るい昼間のように撮ろうとしてしまうので、なるべくアンダーで、人はシルエットかそれに近い形で撮る。または後で補正するという作戦です。
撮影は愛機ニコンD810、レンズは単焦点レンズ(Carl Zeiss Milvus T* 35mm F2 ZF.2)と、標準ズームレンズ(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はCameraRaw、補正はPhotoshop2022を使用しています。
D810, 35mm, f/9, 1/40, ISO64, 撮影モードマニュアル
駐車場から桟橋を見た画です。富士山がクッキリと見えていますが、自分としては憂鬱な撮影になりそうです。
D810, 35mm, f/10, 1/80, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
アンダー目とは言っても、ちょっと暗すぎるかと感じたので絞り優先オートに変更しました。この時16時27分、頑張って絞ります。
D810, 35mm, f/10, 1/40, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
結構な人がいます。他の有名スポットに比べれば少ないほうだと言われるかも知れませんが、私にとってはもうお腹いっぱいです。
D810, 24-120mm(120mm), f/10, 1/125, ISO220, 撮影モード絞り優先オート
24-120mmにレンズ交換して富士山を主役に寄ってみます。桟橋の人達を見ていたら情緒もなにもないという感じでした。
D810, 24-120mm(100mm), f/10, 1/100, ISO200, 撮影モード絞り優先オート
改めて、雲ひとつない見事な夕焼けで、富士山頂のディテールまで写っています。
D810, 24-120mm(24mm), f/10, 1/60, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
引いて撮ります。広角になるとシャッタースピードが抑えられてISO感も100でノイズなしです。そして夕焼けよりも大好きなブルーモーメントが見られました。
D810, 24-120mm(75mm), f/10, 1/80, ISO125, 撮影モード絞り優先オート
75mmまで寄ると、フレームのほとんどがオレンジ色になります。
D810, 24-120mm(48mm), f/10, 1/60, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
標準画角で撮るとこんな感じです。
D810, 24-120mm(78mm), f/10, 1/80, ISO160, 撮影モード絞り優先オート
富士山を外して、染まった空と海、そして山と人のシルエットです。
D810, 24-120mm(75mm), f/10, 1/80, ISO180, 撮影モード絞り優先オート
縦構図で富士山、桟橋、人を撮りました。くっきりシルエットです。
D810, 24-120mm(120mm), f/10, 1/125, ISO280, 撮影モード絞り優先オート
案外近い距離で思い思いの行動をする若者たちです。
D810, 24-120mm(82mm), f/10, 1/100, ISO220, 撮影モード絞り優先オート
上の画を引いてみるとこんな感じです。切り取りの楽しさが伝われば嬉しいです。
D810, 24-120mm(120mm), f/10, 1/125, ISO500, 撮影モード絞り優先オート
ウェディングフォト的なあれでしょうか。まさかストックフォトの撮影だったりして。。。
D810, 24-120mm(24mm), f/10, 1/25, ISO110, 撮影モード絞り優先オート
撮影している人たちの方向を撮ります。いつもは嫌う電線ですが、古い照明器具に繋がる感じが良い雰囲気です。
D810, 24-120mm(62mm), f/8, 1/60, ISO110, 撮影モード絞り優先オート
ちょっぴり脱シルエットをしてみました。
D810, 24-120mm(120mm), f/8, 1/125, ISO160, 撮影モード絞り優先オート
ずっとなにかやっていました。
D810, 24-120mm(120mm), f/8, 1/125, ISO160, 撮影モード絞り優先オート
と思ったら自撮りか〜い!って。ん?どこを向いて何を撮っているんだろう。。。
D810, 24-120mm(75mm), f/8, 1/100, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
f/8なのに周辺の光量落ちですか、、、そうですか。
D810, 24-120mm(50mm), f/8, 1/50, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
上の画は手前をスッキリさせた画でしたが、今度は手前を賑やかにしてみました。
D810, 24-120mm(58mm), f/8, 1/80, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
これは手前の電柱の灯りを主役にフレーミングしました。
D810, 24-120mm(120mm), f/8, 1/125, ISO140, 撮影モード絞り優先オート
またまた自撮り棒の2人です。やはりカメラの向きが気になります。
D810, 24-120mm(120mm), f/8, 1/125, ISO320, 撮影モード絞り優先オート
桟橋の照明を撮りました。電球の傘に光が当たって良い感じでした。
D810, 24-120mm(112mm), f/8, 1/125, ISO500, 撮影モード絞り優先オート
夕日に染まる岩場が美しい景色です。
D810, 24-120mm(52mm), f/8, 1/60, ISO200, 撮影モード絞り優先オート
引いて撮りました。これも好きな構図です。
D810, 24-120mm(120mm), f/10, 1/125, ISO220, 撮影モード絞り優先オート
お散歩シニアカップルと先程のウェディングフォト的な人たち、そして左奥にはカメラを構える女性が写っています。みんなが美しい夕方の原岡海岸を堪能しているようです。
今回は以上です。
思った以上に美しい空と海、そして富士山が撮れました。ここは人がいるのといないのとではまったく違った印象を持つスポットだと感じました。
撮影する人、見ながら会話する人など、皆がそれぞれ楽しんでいる様子が見られたので、最初に感じたような嫌な思いは段々と薄れていきました。でも早くその場を離れたかったのは変わりませんでした。
今回は暗めの画像ばかりでしたが24-120mmを主に使いました。本当に暗い環境になってしまうと24-120mmでは暗いので、明るい単焦点レンズを使うことが多いのですが、標準ズームレンズで撮りました。
これは撮影データをご覧いただければ解るのですが、実はそれほど過酷な状況で撮ってはいません。最初はf/10、途中からf/8と、それなりに絞っているにも関わらず、ISO感もほとんどISO400未満で撮れています。
これは人(特に顔)を写したくなかったのと同時に、夕焼けをより色濃く出すために暗めに現像・補正しているからです。冒頭にも書きましたが、カメラの解釈で露出を決めて撮ると、なるべく明るく撮ろうとするので、後で補正をしています。
後補正が苦手な人は、撮る時にマニュアルで撮るか、露出補正をマイナス補正にして撮ることで、近い感じにはできると思います。しかし後補正ができたほうが自由度は広がります。
しかしこれほど美しい風景を見てしまうと、自然ってすごいなと思いますし、その風景を前に思い思いに楽しむ人達を見ていると、人ってすごいな、とも思います。
次回はそんな岡本桟橋で夕日を撮影した画像をご紹介する2回目です。宜しければまたお越しください。
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