フォーカスこぼれ話 & 一宮海岸〜その付近を歩いて撮った(1)

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以前の記事「ファインダーの明るさ問題の疑問が限りなく解決したっぽい話」で登場したニコンプラザの詳しい人との話で、ちょっとしたこぼれ話というか笑い話があったのでご紹介したいと思います。
 
私が皆さんに伝えたい(訴え続けたい)ことの件をその詳しい人に話した際に、「ぜひともよろしくお願いします」と言われたのは想像がつくと思いますけど、その流れで私が「Planarで撮っているとフォーカスリングをグリグリしているだけでシャッターを切るのを忘れてしまいますよw」と言ったら「解ります」と、それにも同意してくれました。
 
そんな話の流れから聞かせてもらったエピソードが個人的にはツボったんですけど、
「Planar100mmMAKROをフィルムカメラに装着して撮影した人が、その昔…」
「甘く柔らかい美しい写真が撮れる。と、言っていました。でもそういう人の多くは、、、」
 
『ピントが合っていなかったw』 という話でした。
 
Planarの100mmマクロは、以前に私もちょっとだけD7100に装着して使ったことがありますけど、フォーカスがメチャクチャ難しかったです。それこそカミソリの切り口ように鋭く薄い被写界深度といった感じで、バッチリ合うと抜けるようにクリアな描写をしてくれますけど、若干外した辺りは淡く柔らかい印象の画になります。
 
フィルムカメラのフォーカスって、L判サイズくらいで見ている分にはちょっとくらい合っていなくても気づかないことも多いでしょうから、それを“味”などという意味不明だけれど一撃必殺の殺し文句で表現されてしまうということで。
 
デジイチのように内蔵ディスプレイで拡大してフォーカスしたり、撮影後に大画面モニターで確認することがないため、その曖昧さも魅力なのかもしれません。そしてフィルムの場合には階調が無段階のため、良い意味でエッジが立たないのも好影響を与えていたのだと思います。
 
デジタル画像の場合はピクセル画なので、カメラとレンズの性能が良いと、小さめの画像でもピントを外しているのが目立ちます。
 
例えば、可愛らしい赤ちゃんが哺乳瓶でミルクを飲んでいる画像でフォーカスが哺乳瓶に来ていて、肝心の赤ちゃんが甘かったりとか、カメラ女子を気取るタレントが一眼を使って自撮りをした際に、とても良い表情を作っていてもピントは肩に来ているとか、そういった画像がSNSなどで頻繁に見られます。
 
意図して外して撮る以外は、やはりピントは合ったほうが良いと思います。しかしこれも撮影者が合わせた位置と、見た人が合わせて欲しい位置が違ったりする事があったりして、そういったところも面白いところかもしれません。
 
カメラ任せのオートフォーカス、悪いことばかりではありませんけど、ここぞという時にはマニュアルでもフォーカスできるようにしておいた方が良いのでしょう。特に接写や動きのない被写体ではマニュアルの方が良いことが多い気がします。
 
 
さて、いつもの外房で、いつもの海、空、町を撮りました。日の出前から海沿いの駐車場にクルマを停めて、空の色が変わる辺りから撮りはじめて、少し日が昇ったところで近所を歩き始めました。
 
海では2本のズームレンズとPLANARで撮って、歩きながらの撮影では久し振りの“単焦点縛り”、PLANAR50mmのみで撮りました。
 
 
撮影は愛機ニコンD810、レンズは標準ズームレンズ(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR)、望遠ズームレンズ(AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED)、単焦点レンズ(Carl Zeiss PLANAR T*1.4/50mm ZF.2)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はLightRoomCC、補正はPhotoshopCCを使用しています。
 
 
一宮海岸〜付近01
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/30, ISO1100, 撮影モードマニュアル
 
いつもは深いブルーの空なんですけど、この時の空の色は黒っぽいです。晴れていればいつ見ても日の出前から日の出にかけての美しいグラデーションは見られますけど、その時々で色が違うんですねぇ。う〜ん、深い。
 
 
一宮海岸〜付近02
D810, 24-120mm(62mm), f/4, 1/30, ISO2200, 撮影モードマニュアル
 
波打ち際です。最近は砂浜に薄く残る水分が太陽に輝いているのが好きで、何度となくトライしていますけど、波と自分の目線との角度や距離の関係で思ったように捉えられません。それでも諦めずにトライしています。
 
 
一宮海岸〜付近03
D810, 24-120mm(58mm), f/4, 1/60, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
引いていく波の多彩な輝きと、ちょっぴり暴れる波を一緒に収めました。ここで絞り優先オートにモードを変更します。上限に設定してあるISO6400まで跳ね上がりました。
 
 
一宮海岸〜付近04
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/25, ISO1000, 撮影モード絞り優先オート
 
最初の画像からわずか1分ですけど、空がブルーです。黒から青になったのか、それとも撮影上の何かなのかは分かりませんけど、これはいつもの色に近い空の色です。
 
 
一宮海岸〜付近05
D810, 70-300mm(240mm), f/5.3, 1/100, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート, WB4700
 
サーフボードを抱えて入水するサーファーは絵になります。240mmの望遠で狙っていますけど、これもISO6400です。
 
 
一宮海岸〜付近06
D810, 70-300mm(102mm), f/4.5, 1/125, ISO4500, 撮影モード絞り優先オート, WB3800
 
引いて撮ります。画に空が入ってくると、光が稼げて少し感度がラクになっている感じです。上の画と色がまったく違うのが興味深いです。
 
 
一宮海岸〜付近07
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/80, ISO2500, 撮影モード絞り優先オート, WB3500
 
さらに広角端まで引きます。意図して色づくりをしていないにも関わらず、同じアングルでも画角によって違った色で仕上がるという面白い現象です。実は画角だけではなくWBも違うんですけど、それでもなんか不思議です。
 
 
一宮海岸〜付近08
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/160, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
波に乗るサーファーをテレ端で捉えました。ISO感が6400まで上がってしまっていて、水しぶきなのかノイズなのか分からない画になりました。
 
 
一宮海岸〜付近09
D810, 70-300mm(280mm), f/5.6, 1/250, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
同じISO6400でも、これはあまりノイズが目立っていません。水平線が傾いていますけど、これは躍動感を狙ってわざとやっています。
 
 
一宮海岸〜付近10
D810, 70-300mm(280mm), f/5.6, 1/250, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
背景は結構明るくなってきていますけど、それでもISO6400です。
 
 
一宮海岸〜付近11
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/200, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
一転して近場に目を向けます。最近好きな波が引いたあとの輝きを、望遠レンズの圧縮効果を使って撮ってみたかったんです。これは結構お気に入りです。
 
 
一宮海岸〜付近12
D810, 50mm, f/6.3, 1/400, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
日が昇ってきたところでプラナーに交換します。
 
 
一宮海岸〜付近13
D810, 50mm, f/4, 1/1000, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
 
絞っていないので太陽の輪郭はボヤッとしていますけど、波のディテールがプラナーらしい画だと思っていて、ブルーのグラデも美しいです。
 
 
一宮海岸〜付近14
D810, 70-300mm(220mm), f/5.3, 1/1000, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
 
望遠ズームに交換して海と朝日とサーファーをテーマに撮り始めました。静かな海に漂う雰囲気で、太陽も丸く撮れました。
 
 
一宮海岸〜付近15
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/1000, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
 
サーファーのシルエットと所々で輝く波の反射が美しいと思います。
 
 
一宮海岸〜付近16
D810, 70-300mm(250mm), f/5.6, 1/2500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
縦構図にしました。縦構図のほうが海を多く入れられるので、反射が長く見れます。
 
 
一宮海岸〜付近17
D810, 70-300mm(230mm), f/10, 1/640, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
とか言っておきながら、波が横に長く見えるのも捨てがたいので、すぐに横構図に戻します。そして今度はf10まで絞りました。
 
 
一宮海岸〜付近18
D810, 70-300mm(85mm), f/10, 1/320, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
で、乗っているサーファーが画角から外れたので、また縦構図です。これは砂浜まで入れて反射による輝きの道筋を作りました。
 
 
一宮海岸〜付近19
D810, 70-300mm(300mm), f/10, 1/320, ISO250, 撮影モード絞り優先オート
 
この画は、波に乗るサーファーの左右の波に光が透けているところが見どころです。水しぶきも色づいています。
 
 
一宮海岸〜付近20
D810, 70-300mm(300mm), f/10, 1/320, ISO125, 撮影モード絞り優先オート
 
並んで思い思いの行動をするサーファーたち、絵になるシルエットです。
 
 
一宮海岸〜付近21
D810, 70-300mm(300mm), f/10, 1/640, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
朝日を浴びながら、のんびりと波待ちをしているようにも見えます。
 
 
一宮海岸〜付近22
D810, 50mm, f/6.3, 1/640, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
ここから歩き始めます。空、電柱、電線のコラボです。
 
 
一宮海岸〜付近23
D810, 50mm, f/6.3, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
照明灯一本だけを画に入れてみました。
 
 
一宮海岸〜付近24
D810, 50mm, f/6.3, 1/320, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
海に近い住宅街を歩きます。ちょっとオーバー目ですけど、朝日の光が壁にあたって白い壁がアイボリーになっているのが分かります。
 
 
一宮海岸〜付近25
D810, 50mm, f/6.3, 1/800, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
欧州風の建物に南国の木、そして雲一つない深いブルーの空。ベタですねぇw
 
 
一宮海岸〜付近26
D810, 50mm, f/4, 1/400, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
枯れた雑草なんだと思うんですけど、太陽の光によって奥行きだったり光の量だったりがいろいろと美しいです。決してフォトジェニックではない被写体なので、完全なる自己満足ですけど、この時フォーカスリングをグリグリ回しながらシャッターを切るのを忘れていた私です。
 
 
一宮海岸〜付近27
D810, 50mm, f/4, 1/2500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
少し歩くとススキが見えて、ここでもグリグリとしながら数分間はシャッターボタンを押しませんでした。写真撮影に行っていながら、撮影せずにファインダーを覗いてフォーカスリングを回しているだけで満足という本末転倒感が堪りません。
 
 
一宮海岸〜付近28
D810, 50mm, f/8, 1/320, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
この日は渚ファーマーズマーケットというイベント?が行われていたので、一宮海岸広場の駐車場は使えませんでした。興味はありましたけど、この時はまだ準備中のようでした。
 
 
一宮海岸〜付近29
D810, 50mm, f/8, 1/125, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
この水面は海ではなく川です。手すりの影が石造りの堤防の上に掛かっているのが面白く感じました。
 
今回は以上です。
 
 
朝日でも夕日でも、太陽を真ん丸く撮るのが好きという人が多いようですけど、真ん丸かどうかは気象状況によっても関わってくるようですね。今回の太陽は輪郭がモヤッとした画が多かったですけど、それはあくまで私の好みです。
 
私が今回撮ったような画であれば、明るさの調整で太陽の輪郭をクッキリさせることはある程度は可能ですけど、あえてそれはやりませんでした。何しろ最近では、クッキリ太陽とか尖った光源とかを避けている感がある私です。
 
感度をオートにして、ISO感が跳ね上がるような厳しい環境で撮影する機会があると、明るいレンズの必要性が高まりますね。二段なら最高ですけど、例えば一段でも露出が稼げるだけで、それなりの高質な画を残すことができます。
 
ISO感が6400だったものが一段で3200、二段では1600まで抑えられますから効果は大きいですね。プロとかハイアマチュアとかの人たちはそれを実現すべく、高いレンズを使っている訳ですからね。
 
厳しい条件での撮影を重ねることで、機材環境や撮影方法を見直して行くんでしょうし、それを実行するということは、大枚はたいて自ら沼にハマっていくということです。
 
自分がプロとかハイアマチュアになりたいかと聞かれれば答えはNOですけど、自己満足という曖昧でどこまで行っても埋まらない欲求に対峙するということが、趣味の世界の難しくも面白いところなんだと思います。
 
 
次回は今回の続きで、街歩きして撮って、また海に戻って撮っています。宜しければまたお越しください。
 
 

by カエレバ

 
 
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