ミラーレス機の売上が好調!一眼レフは? & 武田川コスモスロードで花を撮った(1)

by カエレバ

 
2017年1月から9月までのデジタルカメラの出荷台数で、レンズ交換式カメラの出荷台数が前年比113.6%で、ミラーレスカメラについては前年比147.2%の出荷と、好調な数字を示したようです。(ソース:CIPA
 
その要因を推察するに、インスタグラムをはじめとするSNSの普及でカメラ好きでなくても写真を撮る機会が増えていることがあげられると思います。そしてSNSに使う写真の画質についても人の欲求には際限がありませんから、メインで使われることが多いとされるスマホの画質が向上していっても、より高画質を求めてカメラ専用機を使う人が多くなっているのではないかと思います。
 
ファッションとして持っていてカッコ良いとか前から興味があったなど、他の要因もあるのでしょうけれど、人気がさらなる人気を呼ぶような好循環に入れば、カメラ好きにとって嬉しい状況が生まれるかもしれません。
 
ただ一眼レフについては前年からほぼ横ばいですが、95.5%と若干減っています。安定した需要はあると思いますが、やはり一眼レフは大きくて重いですし、交換レンズから周辺機器までのそれぞれが、一眼レフ以外のカメラに比べると段違いに高額になりますからハードルが高いというのが正直なところかも知れません。
 
また重量やサイズ以外にも一眼レフよりもミラーレス機のほうが有利だと思う部分はあって、特にシャッター部分では一眼レフを凌駕します。例えばシャッタースピードでは一眼レフのエントリー機が1/4000、上級機でも1/8000のところ、ミラーレス機では1/16000という機種も珍しくありません。
 
さらには連写速度が圧倒的に速く、一眼レフのフラッグシップ機D5で12コマ/秒のところ、ミラーレス機のJ5で20コマ/秒という性能です。そして画像処理の味付けもミラーレス仕様と呼べるもので、ニコンの場合は一眼レフよりも鮮やかで派手な印象の撮って出し画像です。
 
問題はセンサーサイズによる画質ですけど、ニコンの場合はエントリー一眼レフ機のAPS-Cよりもさらに小さい(それでもコンデジよりは大きい)1インチサイズのセンサーが使われているので、フルサイズ一眼レフから見るとかなりの差があります。
 
ミラーレス機でもソニーなどでは、APS-Cサイズのセンサーやフルサイズセンサーを搭載する機種もありますけど、こちらはレンズの選択肢に課題があると個人的には思います。
 
ニコンがミラーレスでセンサーを大きくして成功するためには、マウントの問題を解決する必要があると私は思っていて、1インチ機種で使っていた1マウントではなく、一眼レフと同じFマウントが使えるようになると、定評あるニッコールレンズも使える下地ができるので、強力な競争力を持てる可能性があります。
 
しかし単純にFマウントにしただけでは一眼レフに比べてセンサーとレンズの距離が近くなるので、そのままでは使えないでしょうし、アダプターを使用するとミラーレスの良さ「コンパクト」が損なわれます。そうなるとマウントもレンズもミラーレス機の大型センサー用に開発しなければいけなくなりますけど、傍から見てもこれはとても大変です。
 
今現在、ニコンのミラーレスラインナップを見てみると、J5とAW1の2機種しかありません。上述のようにミラーレス機が売れまくっている昨今、この選択肢の少なさは致命的な気もしましすけど、きっと大型センサーを搭載するミラーレス機を鋭意開発中なんだと勝手に想像しています。
 
ニコンショップで聞いたところによると、最近ではエントリー一眼レフ機を触るお客さんが、ファインダーを見ずに本体ディスプレイを見て試し撮りする人が増えているそうです。これにはかなり驚きましたけど、今の一眼レフはディスプレイで操作できる仕事が増えているので、これからもそういった使い方をする人がますます増えることでしょう。
 
う〜ん…人種が違うのでしょうかw 良いファインダーを持ったカメラに明るいレンズを装着して、ファインダーを覗く快感をぜひとも知ってもらいたい私なのでした。
 
 
さて、千葉県で花といえば成田とかの北の方や南房総が有名ですけど、木更津近辺にもそういったスポットがないかと探していたら、馬来田駅の近所に「武田川コスモスロード」というスポットを見つけました。
 
この辺り、私のように地元民ではない人にとってはなんとも解りづらい場所で、駅名は「馬来田(まくた)」なんですけど、地名は「富来田(ふくた)」というらしいんです。最近では木更津市初の道の駅、「道の駅木更津 うまくたの里」ができて、連日入り口が渋滞するほどの人気です。
 
今回は、もはやコスモスの時期も過ぎてしまいましたけど「武田川コスモスロード」で10月初旬に撮影した画像をご紹介します。私がコスモスを撮ろうとすると、これまでは結構な高確率で強風が吹くことが多いのですが、この日もコスモスの花がブンブン揺れるほどの強風が吹いていました。
 
この日の撮影は、3記事くらいにしてご紹介しますけど、前半はコスモス、後半はコスモスロード(散策路「うまくたの路」)の一番奥にある「いっせんぼくの湧水」までの風景を主に撮りました。
 
 
撮影は愛機ニコンD810、レンズは単焦点マクロレンズ(タムロン SP Di AF 90mm f/2.8 MACRO)、標準ズームレンズ(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR)、単焦点レンズ(Carl Zeiss PLANAR T*1.4/50mm ZF.2)、望遠ズームレンズ(AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はLightRoomCC、補正はPhotoshopCCを使用しています。
 
武田川コスモスロード01
D810, 50mm, f/2.8, 1/3200, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
まずはプラナーで美しいボカシを狙って撮ります。遠くに見えるカップルがもう少し大きく写ってくれると良かったのですが、ボケの強弱が美しいプラナーの良さが出た画像になりました。
 
 
武田川コスモスロード02
D810, 50mm, f/2.8, 1/800, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
風が強くてヘドバン状態のコスモスでした。背景のプラナーボケが美しいですけどコテコテなビビッド画になってしまいました。
 
 
武田川コスモスロード03
D810, 50mm, f/2.8, 1/3200, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
この日はきれいな青空でした。
 
 
武田川コスモスロード04
D810, 50mm, f/2.8, 1/4000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
良い感じの田舎道で、起伏がある砂利道が写真に良い効果をもたらしてくれます。
 
 
武田川コスモスロード05
D810, 50mm, f/2.8, 1/800, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
淡く柔らかい感じがコスモスには似合うと思いますけど、通常の風景のように現像(補正)してしまうとコテコテになっちゃいます。花には花用の現像(補正)が必要になります。
 
 
武田川コスモスロード06
D810, 90mm, f/4, 1/640, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
ここで寄ろうと思ってタムキュー(タムロン90mmマクロ)にレンズを交換します。花びらの輪郭のエッジがカチッと立った画像です。
 
 
武田川コスモスロード07
D810, 90mm, f/4.5, 1/800, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
花びらをリアルに表現してみました。被写界深度が浅いので少し距離が違うだけで大きくボケてきます。
 
 
武田川コスモスロード08
D810, 90mm, f/3.8, 1/400, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
オレンジの花を背景に黄色い花を主役にしてみました。花びらがちょっと傷んでいますけど、一輪だけ色が違うという雰囲気は作れたかと思います。
 
 
武田川コスモスロード09
D810, 90mm, f/3.8, 1/2500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
マニュアルフォーカスで追い込みます。
 
 
武田川コスモスロード10
D810, 90mm, f/4.5, 1/2500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
派手だねぇ〜という画になりました。実はこういった画を私はあまり好きではありません。だったら撮るな、と自らツッコミw
 
 
武田川コスモスロード11
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/400, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
望遠レンズの圧縮効果も試したくて、早くもこの日3本目のレンズです。300mmですけど、これも結構エッジが立っていて合成画像のようにも見えますね。
 
 
武田川コスモスロード12
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/400, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
300mmで手前ボケを狙っていますけど、後ろ気味のところをボカさずリアルにしたら後方に見える緑の木々が目立ってきちゃいました。
 
 
武田川コスモスロード13
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/320, ISO640, 撮影モード絞り優先オート
 
マクロ機能はついていない70-300mmですけど、マクロっぽい画像を意識して撮りました。
 
 
武田川コスモスロード14
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/320, ISO160, 撮影モード絞り優先オート
 
花を見ながら遊歩道を歩く人が結構いました。
 
 
武田川コスモスロード15
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/1600, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
そんな遊歩道と大きく見える青空を、この日4本目のレンズ24-120mmの広角で撮ってみました。ちょっと歩道が日陰に入っちゃいましたけど逆に空が強調されました。
 
 
武田川コスモスロード16
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/1250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
振り返って順光の空を入れて撮ります。手前に木の枝を入れているのは個人的な趣味で、歩道に影が出ているのであえて枝を入れてみました。
 
 
武田川コスモスロード17
D810, 24-120mm(120mm), f/4, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
標準ズームの望遠端を使って寄りを撮ります。画角による背景の違いが判ります。
 
 
武田川コスモスロード18
D810, 24-120mm(95mm), f/4, 1/800, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
人を入れて、中望遠の画角を意識した画像を撮りました。華やかな画になりました。
 
 
武田川コスモスロード19
D810, 24-120mm(55mm), f/4, 1/1000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
標準画角で角度を変えて撮ってみます。角度を変えたので印象が変わって画像の下半分、緑が多い画になりました。
 
 
武田川コスモスロード20
D810, 24-120mm(120mm), f/4, 1/800, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
柔らかく美しい自分好みの花びらの色に近いです。もうちょっとブラックを抑えて補正したほうが良かったです。
 
 
武田川コスモスロード21
D810, 24-120mm(120mm), f/4, 1/800, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
ヌケが良い画像ですけどやはり派手です。う〜ん、花の補正は難しいです。
 
 
武田川コスモスロード22
D810, 24-120mm(120mm), f/4, 1/800, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
上の画と同じポジションで、手前をボカシてみました。手前側と奥側で距離があるのでボカシやすいです。
 
 
武田川コスモスロード23
D810, 90mm, f/3, 1/5000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
タムキューに交換して、青い光の中のコスモスの横顔、といった狙いです。背景が良い感じになりました。
 
 
武田川コスモスロード24
D810, 90mm, f/4.8, 1/2000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
この日の撮影では、花の全体が写らないくらいに寄って撮るというのをテーマのひとつにしていました。なんかスタジオで撮ったような画になりました。
 
 
武田川コスモスロード25
D810, 90mm, f/2.8, 1/2000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
縦構図で、山の中の花畑感を意識しました。
 
 
武田川コスモスロード26
D810, 90mm, f/4.5, 1/1600, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
寄りでリアルに撮りました。人によって花を柔らかく撮るかリアルに撮るかという好みが別れるところだと思いますけど、個人的にコスモスは柔らかいほうが好みです。
 
 
武田川コスモスロード27
D810, 90mm, f/4.5, 1/2000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
こんな感じの方が好きです。カメラのセッティングは変わらなくても、被写体に当たる光の状況で、撮れる画の印象が大きく違ってきますから面白いです。
 
今回は以上です。
 
 
被写体によって画像補正の手法は変えなければいけないと思います。人物、風景、小物など、それぞれに適した補正がありますけど、ワンパターンではダメで、画によってはナチュラルに、またはビビッドに、などです。
 
それは仕上がりをイメージして、そのイメージに近づけていく作業なんですけど、元画像があまりにイメージとかけ離れているようでは仕上がりも思ったようにはなりません。
 
ここでカメラの特徴が現れる部分だと思いますけど、撮って出しに特化した機種はそれなりにラクですし、簡単に鮮やかな画像を残すことができます。その代わりにそういった機種にはクセがあるので、補正しづらい画像だったりもします。
 
私がニコンの一眼レフを気に入っている大きな理由のひとつが、見たままに近い、限りなくナチュラルな画像ということがあります。その画像は一見地味ですけど補正をする際にもクセが少なく、思った方向に導きやすい素直な画なんです。
 
それでもパソコン上でできることは限られているので、イメージしたものに近い元画像を撮影する必要があります。
 
今回勉強になったのは、同じコスモスを撮っていても、光の当たり方や背景によってまったく印象が違う画になるということです。何を今さらと思う部分もありますけど、解ったつもりになっていた部分が解っていなかったと自覚する程度には勉強になりました。
 
撮影状況によって画の雰囲気も変わりますけど、その画に合わせてイメージを作り直して現像したりもしました。それも解っていたつもりでしたけど、奥は深いということです。
 
花の場合には、明るさをちょっと調整しただけで色が濃くなったり薄くなったりしますし、花と背景の明暗差でリアルだったり淡い雰囲気も作れます。それには被写体に当たる光の角度や光の量にも関わるので一概には言えませんけど、花の写真にハマる人が多いのも頷けます。
 
 
次回も引き続き武田川コスモスロードで撮影した画像をご紹介します。宜しければまたお越しください。
 
 

by カエレバ

 
 
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