フルサイズ機のDXクロップ対APS-C機、2本の300mmレンズで撮り比べてみた(4)【ACL浦和vs川崎 】

by カエレバ

 
ナイターで行われたサッカーの試合で、D810(DXクロップ)とD7100に2本の300mm望遠ズームレンズを装着して撮り比べる企画の4回目で、今回が最終回になります。これまで通り“カメラの”時系列に沿って撮影した画像をご紹介したいと思います。
 
前回記事ではハーフタイムから試合後半のもようを撮影した画像をご紹介しました。今回は試合後に撮影した画像をご紹介しますが、D810のDXクロップを解除してFXモードで撮った画像が多いという、記事タイトルにそぐわない方向に行ってしまっていますのでご了承ください。
 
タイトル通りの記事をご覧になりたい方は、この企画の(1)から順にご覧いただければと思います。
 
レンズのミリ数(画角)と実際画像に写るオブジェクト(被写体)の大きさが違って見えるというのは、ネット上でもよく見かけることはありますけど、私が使っている2本のレンズで、同じ300mm(35ミリ換算450mm)で撮った際に、ニッコールよりもタムロンのオブジェクトの方が小さく写るという現象を自分の環境で初めて経験しました。
 
これはどちらが正しいのか私には分かりません。レンズの個体差レベルなんだと理解していますけど、私個人としてはあまり気にはなりません。しかし望遠好きの人の中には気にする人もいるかもしれませんね。
 
それより私にとっては明るさとか詳細感の方が大事なんですけど、今回の撮影で自分の使っている機材に対する理解度も少しは深まった気がしていますので、これからの撮影に活かしていきたいと考えることになりました。
 
 
撮影は愛機ニコンD810に(AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED)、D7100に(TAMRON AF28-300mm f3.5-6.3 XR Di ASPHERICAL A061N)をそれぞれ装着して撮影しています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はLightRoomCC、補正はPhotoshopCCを使用しています。
 
ACL川崎戦(埼スタ)092
D7100, 28-300mm(100mm×1.5), f/5.3, 1/640, ISO4500, 撮影モードシャッター優先オート
 
試合後に選手たちがスタンドの観客に挨拶するためにピッチ上を歩きます。ホームでの勝利後はスタジアム全体に幸せな空気が漂う時間帯です。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)093
D7100, 28-300mm(200mm×1.5), f/6.3, 1/320, ISO3200, 撮影モード絞り優先オート
 
寄ってみます。ここから絞り優先オートに変更しました。フォーカスポイントは選手にも行っていますけど若干眠たい画像になってしまいました。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)094
D810, 70-300mm(70mm×1.5), f/4.5, 1/1250, ISO5600, 撮影モードシャッター優先オート
 
時間が戻ってw D810で撮った試合終了直後です。手前の旗にピントが来がちなところ、ちょっぴり苦労してピッチにフォーカスしました。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)095
D810, 70-300mm(70mm×1.5), f/4.5, 1/1250, ISO4000, 撮影モードシャッター優先オート
 
カメラ任せでフォーカスするとこんな感じです。これはこれで悪くない画かも知れません。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)096
D7100, 28-300mm(210mm×1.5), f/6.3, 1/320, ISO1800, 撮影モード絞り優先オート
 
D7100での撮影画像に戻ると時間がジャンプしますw ヒーローインタビューを終えた2人が他の選手に遅れて挨拶回りです。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)097
D810, 70-300mm(135mm), f/4.8, 1/2000, ISO6400, 撮影モードシャッター優先オート
 
またまた時間が戻ってD810です。なぜこのシャッタースピードにしたのかは例によって不明ですが、FXモードで撮り始めました。やはり詳細感が段違いですけど、光量落ちも顕著です。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)098
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/2000, ISO6400, 撮影モードシャッター優先オート
 
選手たちが最後に整列します。熾烈な戦いだったことを示すオーロラビジョンが夜の闇に輝いています。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)099
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/2000, ISO6400, 撮影モードシャッター優先オート
 
FXモードのままテレ端で整列する選手たちを撮りました。AFは浦和の左から3番目の選手から3人にフォーカスポイントが来ていました。撮って出しでは暗かったですけど、現像時に補正しています。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)100
D810, 70-300mm(220mm), f/5.3, 1/2000, ISO6400, 撮影モードシャッター優先オート
 
改めてオーロラビジョンに寄りました。ちょっとだけサッカーの話をしますけど、客観的に見てこの試合までの実力ではその差は僅差とはいえ川崎の方が勝っていたと思います。けれど勝利したのは浦和でした。様々な要因がありますけど、必ずしも実力通りの結果にはならないというところがサッカーの面白いところでもあります。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)101
D810, 70-300mm(195mm), f/5.3, 1/2000, ISO6400, 撮影モードシャッター優先オート
 
挨拶が終わってベンチのメンバーやスタッフたちがピッチ上の選手たちと喜びを分かち合います。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)102
D810, 70-300mm(80mm), f/4.5, 1/2000, ISO6400, 撮影モードシャッター優先オート
 
PLAYER OF THE MATCHは浦和の10番、柏木陽介選手が選ばれました。左下に歩く選手たちをレイアウトアンカーにして構図を作りました。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)103
D810, 70-300mm(85mm), f/4.5, 1/100, ISO500, 撮影モード絞り優先オート
 
ここで絞り優先オートに変更しましたのでシャッタースピードがドカッと遅くなりました。今度は前列の観客の手がピントを合わせづらくしてくれます。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)104
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/80, ISO560, 撮影モード絞り優先オート
 
選手がこちら側に挨拶に来ました。なんとか前列の人の間を縫って選手にフォーカスしたいと奮闘しています。右の人の頭と腕の間に見えるゼッケン2番のマウリシオ選手にフォーカスポイントが来ていますけど、画像を見ると明らかにピンぼけです。多分旗の棒に合っていると思われます。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)105
D810, 70-300mm(270mm), f/5.6, 1/320, ISO2800, 撮影モード絞り優先オート
 
これは最後尾の阿部ちゃんの背中にフォーカスしています。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)106
D7100, 28-300mm(28mm×1.5), f/4.5, 1/50, ISO560, 撮影モード絞り優先オート
 
D7100なので時間がジャンプしますが、勝利の凱歌をワイド端で広く撮ります。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)107
D810, 70-300mm(210mm), f/5.3, 1/250, ISO2500, 撮影モード絞り優先オート
 
D810の時間軸ではまだ選手が北ゴール裏まで達していません。これは画像中央付近の観客にピントが来ています。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)108
D810, 70-300mm(110mm), f/4.5, 1/125, ISO1800, 撮影モード絞り優先オート
 
ゆっくりと近づく選手たちを迎える北ゴール裏を110mmで撮っています。少しホワイトを強くしてシャドーも明るくしていますけど、撮って出しでも露出は大丈夫だと思いました。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)109
D810, 70-300mm(110mm), f/4.5, 1/125, ISO1800, 撮影モード絞り優先オート
 
みんなで喜びを爆発させるバンザイです。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)110
D7100, 28-300mm(28mm×1.5), f/4.5, 1/50, ISO220, 撮影モード絞り優先オート
 
D7100で撮ったひとつ上の画像の続きです。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)112
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/320, ISO3200, 撮影モード絞り優先オート
 
チームメイトから少し遅れてピッチを回る柏木&高木、両選手です。等倍で見ると高画素機の持つ詳細感に驚かされます。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)111
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/320, ISO5600, 撮影モード絞り優先オート
 
ピッチを一周回って、最後にメインスタンドに向かって挨拶をします。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)113
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/80, ISO800, 撮影モード絞り優先オート
 
70-300mmのワイド端で勝利の凱歌を撮ります。上に載せた画像と同じシーンでも画角による印象の違いを感じます。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)114
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/320, ISO5600, 撮影モード絞り優先オート
 
歌が終わって旗とタオルマフラーが振られます。シャッタースピードを遅くしているのでブレたマフラーがスピード感あります。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)115
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/40, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
外の通路に出ると、足早に帰路につくサポーターと、まったりと余韻に浸るサポーターの姿があります。スタジアムの壁面に掲げられているエンブレムシートを撮影するサポーターが多くいました。外は光が足りないので、ISO感が上限の6400に届いてさらに足りない光はシャッタースピードで補おうとする愛機です。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)116
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/50, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
平日なので休前日よりも人は少ないですけど、呑んでる人がいます。私も帰りがクルマでなければ呑みたかったところです。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)117
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/80, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
振り返ってゲートから続々と出てくるサポーターを撮りました。人の顔にボカシを入れていますが、元画像からすでに人の顔はボケていました。念のためのさらなるボカシです。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)118
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/15, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
シャッタースピードが手持ち撮影では厳しい値になっています。手ぶれ補正も付いているし、なんとか頑張っていますけど、、、良い意味で捉えれば動きのある画像ですw
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)119
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/15, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
もっと広く撮りたかったんですけど無理に切ったら窮屈な画になっちゃいました。いろいろと厳しさを感じました。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)120
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/25, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
下りてきました。たくさんの人がスマホを掲げています。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)121
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/60, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
勝利の後で気分の良いサポーターで賑わう公式ショップの出店です。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)122
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/80, ISO4500, 撮影モード絞り優先オート
 
みんながスマホで撮っていたのはこれでした。2試合合計のトータルスコアが出ていたので、記念に撮っていたサポーターが多かったというわけです。強いスポットで照らされているエンブレムは普通に撮るとこうなります。エンブレムをしっかりと判るように撮りたいならば、マニュアルで露出を下げて撮ると撮りやすいと思います。
 
 
ACL川崎戦(埼スタ)123
D810, 70-300mm(70mm), f/4.5, 1/25, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
 
私も帰路につきます。REDS WONDERLANDのゲートを撮って、次はいつ来られるかなぁ。。。などと考えながらホームスタジアムを離れました。
 
今回は以上です。
 
 
4回にわたって合計100枚以上の画像をご紹介してきましたけど、慣れない2台持ち撮影ではなかなか集中できませんでした。さらにカメラ2台の時計が違っていたのは大失敗でした。
 
いつもはカメラ(メモリーカード)から直接Lightroomに取り込んでいるのですが、そのやり方では時計合わせに無頓着でした。最近の機器ということもあって時計を合わせないといけないという気持ちも薄かったと思います。
 
時計合わせの反省から、取り込みにはNikon Transfer 2を使ってみようと考え始めました。このアプリにはカメラの機種によってできないものもありますけど、接続時にカメラの時計をコンピュータの時計に合わせる機能が付いていますから、試してみる価値はあるかも知れません。
 
あと、技術的な部分では、シャッタースピードなど撮影に適したセッティングが出来ない技術力の低さを露呈してしまいました。これは意識を変えるしかないと思うので、さらに意識を持って取り組んでいこうと思います。
 
さて、今回の企画を自分なりにまとめてみます。
 
一番大きく興味を持った、フルサイズ機をクロップした際の画素数は減るけれど明るさとフォーカスが有利だと思えるところと、APS-C機の小さなセンサーに多くの画素数で撮影できる詳細感、の比較です。
 
実はここまで散々引っ張っておきながら、ここに来て「どっちでも良い」という結論を出したら殴られますかね。しかし下手くそな私が撮ると、当然とは言えどちらのカメラで撮った画像も「良い画像と良くない画像」があって、きっと腕の良い人が撮ればどっちのカメラでも巧く撮れるのではないかと。。。
 
そして、出たもう一つの結論はフルサイズ上級機でクロップせずに明るいレンズで撮るw という、沼にハマるしかない現実を見てしまった私でした。
 
沼になんかハマりたくない!という人は、まず一番撮りたいものを決めて、それに適した環境にするのが良いかと思います。例えば好きな選手の顔が撮りたいという人はAPS-C機、ピッチ全体を広く撮りたい人や熱いサポーターを主に撮るのであればフルサイズ機クロップの方が向いている気がします。
 
また画像補正が苦手だったり面倒な人にも、撮って出しが暗いAPS-C機よりもフルサイズ機のクロップの方が明るいので手軽です。APS-C機でも高感度撮影ができる機種であれば明るく撮れるとは思いますけど、やはり物理的に大きなセンサーの方がアドバンテージがあります。
 
レンズはあまり妥協しない方が良くて、特に動体撮影では性能に差が出るケースがあると思います。何が何でも純正レンズが良いということは言いませんけど、サードパーティ製では多くのメーカーのカメラに対応させてコストを抑えている性質上、コスパは良くても画像やフォーカスの面で純正に比べて劣る部分があるのは否めないと思います。
 
まあ「レンズは資産でカメラ本体は消耗品」と言いますから、レンズは可能な限り少ない妥協で満足できるものを選びたいところですけど、価格、画角、明るさ、大きさ、重さ、フォーカス、手ブレ、画質などなど、様々な部分を踏まえてのチョイスが必要になります。
 
それぞれの人の撮影環境に合わせた機材が必要なのは言うまでもないですけど、それを知るためには若干の無駄遣いをしながらでも学び続けないといけない。カメラとは奥が深いですね。。。
 
そしてこれまでのことを色々と踏まえるとニコンD850は良い機種です。DXクロップ時でも約1946万画素で撮影できますから、レンズが1本で済むようならD850のみでナイター撮影はOKです。そしてD850であれば沼にも積極的にハマれますw でもシャレにならないほど出荷が遅れていますw
 
私なりにテーマを設定して臨んだ今回の撮影では、自分の下手さ加減を改めて自覚する結果になりましたけど、その課題を持って、カメラに対する新たな意欲が出てきたのも事実でした。それでも何が撮りたいとかいうのが特にはない私ですので前途は多難です。
 
 
次回は木更津市内のコスモスが咲いているスポットで花を撮影した画像をご紹介したいと思います。サッカーネタが長すぎてコスモスの時期は終わってしまいましたけど、記録の意味もありますので記事にします。宜しければまたお越しください。
 
 
予約に対して生産・納品が追いついていないと報道されているD850です。

by カエレバ

 
 
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