ニコンD810 24-120 f/4G ED VR レンズキットとCarl Zeiss PLANAR T*1.4/50mmで試し撮り(3)
ニコン 2010-11-19
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前回記事で一流メーカー ニコン製のレンズを思いっきりdisった私です。
24-120mmズームレンズは、すべての画角でf/4で撮れるということを実現するために高価な設定になっているのだと思いますが、前回私が言った「シャドーの表現」や「ボケ味」の美しさなど、単焦点レンズに比べれば当然劣ります。
レンズの仕組みが違うのを百も承知な上に比べる気なども全く無かったとはいえ、結局撮影サンプルでの比較対象がプラナーになってしまっていることもフェアではなかったです。
ニッコールとしては上のレンズ(AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G)を持ってくるなどすれば、カール・ツァイスとも比べることも出来るかも知れませんが、24-120mmでは比べる対象にはなり得ません。
ニッコールの描写はとても素直だと感じることが多いのですが、その分地味でシャドー部が落ち込む印象があるので、やはり明るいレンズじゃないと暗部が美しくないというところでしょうかね。
もしそうだとして、それを少しでも解消しようとすると、f/2.8通しの大三元レンズや更に明るい単焦点レンズが欲しくなってしまうという“ニッコール沼”が待っているということですか。。。
ニコンの開発者のインタビューなどでは、最近たくさん出しているf/1.8の単焦点レンズを使って欲しい、みたいなことを書いていたのを何かの記事で読みましたが、世間的には圧倒的に多い「便利」を優先する人たちの期待には応えられていないと思います。
画質的には単焦点が有利なのは周知の事実なので、メーカーとしては単焦点を推したいところでしょうけれど、高倍率ズームの28-300mmがかなり売れていて評判も良いのが良い例かと思います。正直、暗いなら暗いなりに後でそれなりに何とか出来てしまうのもデジタル画像の強みなのだと思います。
ただ、あまり後加工に頼るような撮り方をしていては撮影技術は上がってきませんね。
ニコン 2010-09-02
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ニコンD810 24-120 VR レンズキットを買ってから初めての撮影(3)
さて、D810とキットレンズのAF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR、そしてCarl Zeiss PLANAR T*1.4/50mm ZF.2を使って初めて撮影しに行った画像をご紹介する最終回です。
【ニコンD810 24-120 VR レンズキット】を購入するにあたっては、私なりの“この機種に決めた理由”があるのですが、ご興味がある方は、こちらの過去記事をご参照ください。
今回は富津岬の明治百年記念展望塔に登って、雲の切れ間から海に差す光を中心に撮りました。色が違ったり明るかったり暗かったりと、それなりに違う画を意識して撮りましたが、ご覧になる方にとっては同じような画像に見えるかもしれません。
撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はLightRoomCC、補正はPhotoshopCCを使用していますが、今回もレンズ補正はしていません。
24-120mm(24mm), f/11, 1/60, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
明治百年記念展望塔への登りはじめ、「おっ!」と思って撮りましたが、後ろからも人が登って来ていたので、一瞬だけ立ち止まって撮りました。広角は楽しいです。
24-120mm(24mm), f/11, 1/200, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
青空も、どんよりした雲も、夕焼けも、海のキラキラも全部フレームインしました。水平線が波打っているように見えますが、これはレンズの仕様ですw そして周辺の光量落ち(特に下部)も暗いというよりも真っ黒です。
24-120mm(120mm), f/11, 1/250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
せっかくのズームレンズなのでズームアップして撮りました。あえてアンダーな雰囲気が凄みを出していると自分勝手に解釈しています。
24-120mm(92mm), f/11, 1/250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
同じアングルで92mmまで引いてみましたが、シャッタースピードに変化なしなのは意外でした。もしかしたらこれがレンズの・・・
24-120mm(38mm), f/11, 1/100, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
今度はブルーな感じです。手前に陸地を写すことで遠近感を強く感じられます。
24-120mm(24mm), f/10, 1/200, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
シャドーはほとんどシルエット化してしまいましたが、明暗の階調差は出ています。でも真っ黒。
24-120mm(38mm), f/10, 1/250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
第一海堡が良いアクセントになってくれた画像です。これはInstagramにも投稿しました。
24-120mm(75mm), f/10, 1/250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
水平線の歪みが気持ち悪いですw
24-120mm(52mm), f/10, 1/200, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
歪みが少ない真ん中辺りに水平線を持ってきてみました。
24-120mm(24mm), f/10, 1/200, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
24-120mm(24mm), f/10, 1/250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
24-120mm(70mm), f/10, 1/320, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
刻一刻と雲の状態が変化しているので陽射しの量が変わったりして面白いです。
24-120mm(24mm), f/10, 1/250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
50mm, f/4, 1/2000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
単焦点(プラナー)に付け替えました。そうすると突然開放近くに開き始める悪い癖が出てきます。
50mm, f/1.8, 1/8000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
f/1.8ですw 遠景の風景写真でこんなことする奴、素人以外にはいないでしょ!! でも、わざとです。開放近くではプラナーも周辺減光が強く出てきました。
50mm, f/1.4, 1/4000, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
ふはははは!開放です。これは思っていたよりも周辺減光が出ていません。
50mm, f/1.8, 1/6400, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
50mm, f/2.8, 1/1000, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
甘ピンですが、人が入ると解放でも許せる感じが許せませんw(なんのこっちゃ) 熟年カップルはふたりともデジイチでしたよ。(嬉)
50mm, f/11, 1/160, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
ちゃんと絞っても撮りましたよ。この解像感はハンパないです。拡大して見てみると、船も第一海堡もディテールまでバッチリ写っています。パないのう。。。
50mm, f/11, 1/125, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
この水面の具合が堪りません。。。ISO64でディープな雰囲気になっています。
50mm, f/10, 1/250, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
ここで逆光を捉えます。Tスターコーティングは、これだけの逆光でも船の影部分のディテールをちゃんと描写しています。
24-120mm(50mm), f/10, 1/250, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
ここで24-120mmに戻します。仕方がないところかも知れませんが、ドッと暗い画になりました。
24-120mm(24mm), f/10, 1/50, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
広角らしいアングルと構図で明治百年記念展望塔を撮ってみます。こういった被写体の方がこのレンズ向きかも知れないと思いました。
24-120mm(50mm), f/10, 1/200, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
ナノクリで初の逆光撮りです。見事にフレアが出てしまいました。たまたまかも知れませんが第一印象が悪かったです。シミみたいなものも写っています。
24-120mm(105mm), f/10, 1/40, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
砂浜で女性が2人、遊んでいました。このレンズ、突っ込みどころは多いですが、比較的中望遠では良い感じです。
24-120mm(120mm), f/4, 1/100, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
プラナー縛りの回に大貫で撮った画像と同じようなシチュエーションで撮っています。プラナーと比べるのは意味が無いですが、このレンズの個性を感じます。
今回は以上です。
ニコン D810 24-120 VR レンズキット ファーストインプレッション(追記)
前回記事で散々disった24-120mmの良い所を挙げてみますと、さすがf/4通しのレンズだけあって、画角が変わっても安定して同じように撮影できることだと思います。
ただこの画質のf/4では不満が出てくるところなので、やはりf/2.8通しの大三元レンズが使ってみたくなりますね。
次回以降、このレンズで撮影した画像についてはレンズ補正やらなんやらをたっぷりとお掛けしてご紹介したいと思います。
D810本体についての追記ですが、こちらについては前々回の記事ではベタ褒めだったので、ちょっと気になるところを。
まずは、バッテリーがD7100と同じなので共有できるところは良いのですが、これまでのリモートレリーズが使えないので新たに買わないといけません。またバッテリーの減りが心なしか早いような気がしました。
これは手持ち撮影の状態で感じたので、ミラーアップしてディスプレイを表示しながらの撮影では、さらにバッテリーの減りが早くなると想像できます。
あと、これは私の環境だけかもしれませんが、USBでカメラとMacを繋いでもストレージとしてはマウントしませんでした。カードリーダーに接続するとSDカードはマウントしますがCFカードはマウントしませんでした。
Lightroomなどの画像補正ソフトを使って取り込めば良いのですが、ストレージとしてマウントしている時よりは転送速度は遅いです。せっかく撮影のストレスが減ったのですが、画像を取り込む際にストレスになってしまっています。
あとは画素ピッチ云々ではなく実感として、D7100よりも気をつけないと手ブレがし易いと感じました。多分これは単純に画像の大きさが、D7100の6000×4000pixelからD810では7360×4912pixelになっているのが主要因だと思われます。
そういった手ブレを防ぎたいという目線で見ると、VRが効いてAFも使える24-120mmも捨てがたいところかも知れません。
そして、雑誌やWebサイトなどで言われている「D810はレンズを選ぶ」というのは本当だと感じましたね。これは最小と最大を表すダイナミックレンジとは違うレンジ、階調表現のレンジが広く高詳細なために、良いレンズを使うほどに美しい画像が撮影できるのだと感じました。
良いところもそうでないところも踏まえてこれから愛用していきます。また気づいたことがあればこのサイト上でご紹介したいと思います。
次回は夕陽を撮りに行きましたが、これまで何度か撮りに行った江川海岸ではなく、金田でいろいろと撮りました。宜しければまたお越しください。
ニコン 2015-02-19
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