風景を撮っているからといって“風景写真”とは限らない? & 新緑を求めて富津公園を彷徨う(4)
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風景を撮っているからといって“風景写真”とは限らない?
先日、木更津で行われた絵画の展示即売会に行ってきました。とは言っても、主催された方々や画家さんには申し訳ないですが、絵を買う気はほとんどなく、ひやかし半分の気持ちで行きました。
売れるような画家さんの絵を間近で見たかったということと、画家さんの構図を自分の写真の参考にしたいなどと考えて行きました。
当日の会場では、行列に並ぶという久しぶりの体験もしました。同じ建物内の他会場では、激安パソコンの販売が行われていたらしく、違う目的の人が列に並んだりしていて混乱している人もいたようです。
正直、絵を見て参考になる部分はありましたが、個人的にはあまり面白くなかったです。それでも自分としては良い経験になったと思います。やはり個性だったりスタイルだったりというのは大切だと改めて感じました。
いつものことですが前置きが長くなってしまいました。本題は最近取り上げることが多くなっているYoutubeでの話で、影響力のあるプロが話していた言葉に、かなりの違和感を感じた話です。
そのカメラマンは、とても人気が高い人で風景写真では有名なキャノン使いの方です。まあどこのカメラを使っていてもそこはどうでも良いんですが、その方が三脚を説明している動画の最後の方で言われていました。
風景写真を撮っていると、三脚を立てずに撮っている人を見かけるけど、信じられない気持ちになると。初心者なのか、もしくはアレ(ここは濁していました)なんじゃないかと言ってました。
私はそのカメラマンをなんとも思っていないですし、自分はプロではないし、三脚を使うのは基本だと一応は理解した上で手持ちで撮っていますから、特になんとも思いません。ですが、その動画を見たその人のファンなどと現場では会いたくないですね。
先述した絵画などもそうですが、人それぞれに表現する方法や価値観があって、それを誰かになにか言われることはないと思うんです。お金をもらうための仕事であれば別ですよ。それはもうクライントの意向など、自分だけではないので。
しかし趣味で撮っているのに、他人にとやかく言われたくないです。少なくても私は。いろいろな表現があって、それを好むか好まないかは見る人の問題です。
私は、風景を撮っていても、人物を撮っていても、それこそ何を撮っていても「スナップ写真」のつもりです。厳密なスナップの定義は語れませんが、自由な発想でスピード感を持って撮影できる、これが私にとってはいちばん大切です。
ですからブレるときもあればピントを外すときもあります。でもファインダー(ファインダーは光学ファインダー、これ絶対w)を覗いて感覚のままに目の前の景色を切り取る、それが自分の撮影スタイルです。
自分は素人ですし下手くそです。それは自認していますが、自分スタイルにケチを付けられたくはないです。先日取り上げた「STOP!教え魔」もそうですが、他人を尊重する気持ちを持ちたいものです。
ですから、海に向かってフラッシュを焚いていても、風景を開放で撮っても、ずっとオートで撮っても、パステル調のハイキーな写真でも、ドンシャリなモノクロ写真でも、暗い写真ばっかりでも、その人が良ければ良いじゃないですか。
嫌だと思えば勉強するでしょうし、気づいた時点でやり方を変えることもあるかも知れません。以前、hologonさんのところで見た写真集があって、その写真集の撮影者は、家族から譲り受けた一眼レフのフィルムカメラで撮っていました。
その方はカメラのセッティングはなにも触らずに、一眼レフカメラをバカチョンカメラ(死語)みたいな使い方で撮ったそうで、写った人の掲載許可も、編集の人が後で一人一人探して許可を得たと聞きました。
そのレベルまで行くと写真集も売れるんですね。というか、業界の中にいると、機材とかセッティングとか画素とか、なんか見ている人にはどうでも良いようなことに囚われて、ちゃんと表現できているのか判らなくなるときがあります。
カメラも三脚もライティング機材も、すべては表現するための道具でしかなく、表現者は人である。ということをメーカー系のカメラマンやカメ爺たちはもっと自覚すべきです。何でもそうですが、続けていると余計なことに囚われるようになってきますね。
とりあえずは、カメラ系のYoutubeは見ないほうが良い気がする。そんな私でした。(まあ見ちゃいますけどね)
新緑を求めて富津公園を彷徨う(4)
新緑を求めて富津公園を彷徨って撮影した画像をご紹介する4回目で最終回です。前回記事では、ジャングルのような道から出て、展望台で撮影しました。
今回はそこからクルマに向かって帰る途中に撮った画像が主になります。撮影時間には晴れるという予想の天気予報に裏切られた感じの撮影にはなり、水に濡れた新緑に光が差し込む的な画は撮れずじまいでしたが、まあまあ楽しかったです。
雨上がりの早朝の公園は、明るい単焦点レンズを使う意味もありましたし、いろいろな距離の被写体を撮影したので、それなりに勉強になりました。ずっと解っていなかった85mm(AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G)の特徴も、少しは掴めてきた気がします。
そんな感想を持ちながらの歩きながら撮影でしたが、画角的には改めて難しいと感じた85mmでした。
撮影は愛機ニコンD810、レンズは単焦点レンズの(AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はCameraRaw、補正はPhotoshop2021を使用しています。
D810, 85mm, f/1.8, 1/640, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
富津元洲堡塁砲台跡ですかね。いろいろなところに昔の面影が残る富津公園です。
D810, 85mm, f/1.8, 1/500, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
フォーカスポイントを手前にしてみました。開放らしい画になりました。
D810, 85mm, f/2.8, 1/250, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
想像ですが、当時からあった階段なのでしょうかね。テキトーなことばかりは言えませんが、この狭さと質感が良い感じです。
D810, 85mm, f/2.8, 1/100, ISO140, 撮影モード絞り優先オート
上の画から少し絞って撮っていますが、石の質感と草のボケ感が面白いです。曇りの日の朝って感じです。
D810, 85mm, f/2.8, 1/800, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
湿った古い石と新しい緑、すこしだけ青空が見える空、85mmという感じの狭い画になりました。
D810, 85mm, f/2.8, 1/200, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
緑がいっぱいです。
D810, 85mm, f/1.8, 1/640, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
中望遠らしい画も撮りたいと思いました。ピントが来ている部分の詳細はリアルに写っています。
D810, 85mm, f/2.2, 1/500, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
橋の手前の土手?を入れて手前ボケを作ってみました。
D810, 85mm, f/2.2, 1/1000, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
なんか通行止めロープが張ってありました。蜂(ハチ)注意と書かれています。当然迂回します。
D810, 85mm, f/1.8, 1/1000, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
初心者の頃に撮った記憶がある木を撮ってみます。ん?なんか違うような。。。
D810, 85mm, f/1.8, 1/1000, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
道を歩いていると、草陰からジーッとこちらを見ています。
D810, 85mm, f/1.8, 1/800, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
奥にもう一匹いました。やはりこちらをジーッと見ています。
D810, 85mm, f/1.8, 1/1000, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
また手前の猫にフォーカスしてみます。すごく警戒されているようで、袖ヶ浦公園の猫たちとは違います。望遠レンズを持ってきていないのであまり寄れません。
D810, 85mm, f/1.8, 1/1000, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
怖い怖い、目が怖いです。ここまで寄るのが精一杯でした。
D810, 85mm, f/1.8, 1/800, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
奥にいる猫にはもっと寄れません。背景に写っている木箱が気になります。
D810, 85mm, f/1.8, 1/800, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
おっと、三匹目もいました。
D810, 85mm, f/1.8, 1/1250, ISO64, 撮影モード絞り優先オート
メイン通りに戻ってきました。開放で案内標識付近にフォーカスしているつもりですが、なんとなくモヤッとした雰囲気です。
D810, 85mm, f/2.8, 1/1250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
これまで撮っていた位置と反対側から、例の橋を撮りました。かなり雲がなくなってきました。
D810, 85mm, f/1.8, 1/200, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
この日最初に撮った辺りをまた撮ってみます。時間が経ったことで明るさが変わったと思います。
D810, 85mm, f/4, 1/250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
小さな花が咲いていたのですが、広い範囲で咲いている様子を撮りたいと考えました。しかし花が小さいのでイマイチでした。
D810, 85mm, f/1.8, 1/1250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
今度は立ち位置とアングルを変えて撮ってみました。開放で撮りましたがアンダー画です。
D810, 85mm, f/1.8, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
雨上がりの湿った地面にきのこが似合います。
D810, 85mm, f/1.8, 1/1600, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
公園前の道路を渡って駐車場に向かおうと近づくと、ランナーが走っていたので、後ろ姿を撮りました。被写体が明らかな時の85mmの描写は、被写体が浮かび上がるように撮れます。そこは持ち味として良いと感じました。
今回は以上です。
85mmの単焦点レンズは、ポートレートレンズと言われるだけあって、やはり人を撮るとレンズの長所が発揮されるようです。他の被写体でも、強めの被写体であれば良い撮影結果が得られる可能性は高いと感じました。
ただ、普通に歩きながら撮る、これまでの距離感で撮る場合は、構図を含めて難しいと感じる事が多かったです。やはり私の場合は、他の画角と並行して使うのが良いと思いました。
APS-C時代は、標準と言われる50mmでも気分的にはこういった感覚(35ミリ換算で50mm→75mm)で撮っていたことを思い出しました。やはり街撮りの場合には35ミリ換算で24mmから50mmくらいまでの画角が合うシーンが多いと思います。
でも特徴的な画を残せる中望遠レンズは、使い方によっては強力な武器になりますし、バリエーションという意味で幅が広がると思います。ただユーティリティ面から見ると、ズームレンズのほうが良いので、行き着く先は大三元ということになるんでしょう。
デカくて重いレンズを持ち運ぶのも悪くないですが、軽くてシンプルな単焦点は好きですね。レンズ交換が面倒だったり、ホコリなどを気にする人は向いていないかも知れませんので、そういった方はズームレンズの方が向いているかもです、
今回は冒頭から語ってしまいましたが、レンズ選びも含めて自分のスタイルに合ったものが良いということです。そして自分の中でスタイルがハッキリしてきて、さらに学んでくると道具に疑問が出てくることもあります。
私は常にその真っ只中ですが、それも楽しみと思い割り切って続けたいと思います。
ここのところ、ネット上ではZ fcに興味を持ったり、予約したりしている人が多いようです。私もZ fcは「有り」だと思っていますが、今のところ買う気はありません。
しかし、Z fcフィーバーみたいなものをネットで見ていたら、最近、久しぶりに自分の中の物欲抑止センサーがぶっ壊れ始めてきたのを実感しています。でもその物欲はカメラ以外に向かう気がしていますので、ここでは語らないと思います。
さて、新緑を求めて富津公園を彷徨った私ですが、もう一度新緑を探してみたいと考えて、次は富津市の隣の君津市に探しに行こうと考えました。もちろん撮影は早朝で、レンズは単焦点縛りです。
Mapを探していたら、以前に行ったことがある片倉ダムのすぐ近くに、木道があるのを見つけたので、そこに行ってみました。そして歩いていたら、このサイトでずっと行きたくないと言っていた、あの有名スポットにたどり着きました。
実際に見たら、話題になるほどのスポットはさすがに美しかったです。ただ、どうせ撮るのであれば三脚を持って行って撮れば良かったと思いましたが、いつもの手持ちで撮ってきました。
これまでと矛盾していますが、仕上がりを優先してスタイルを変えることも時としては必要だということです。現に私だって三脚を使うことはありますしね。
グダグダと語りましたが、そういうことで、次回は行きたくなかった絶景スポット、濃溝の滝付近で撮っています。宜しければまたお越しください。
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