【古いけれど生きている町並み】佐原の古い町を歩きながら撮影(1)

by カエレバ

 
一眼レフカメラの魅力のひとつにボケ味があります。とは言ってもボケ味は一眼レフでなくても出せるのですが、開放f値の数値が少ないレンズや望遠レンズでの圧縮効果、また被写体と背景の距離やセンサーサイズが大きいカメラでもボケ量を増やすことが出来ます。
 
ですから単純にひとつの要素でボケるわけではありませんよね。ですが初心者でも解りやすいところでいえば、レンズの開放f値の数値が小さいとボケ量を増やしやすいというのがあると思います。
 
f/8よりもf/4、f/4よりもf/2.8、f/2.8よりもf/1.4の方が、ボケ量を増やしやすいのですが、D810の購入直後に買った「ニコンD810スーパーブック」に興味深い記述がありました。
 
それはAPS-Cとフルサイズのセンサーサイズのボケ味を、レンズのf値に換算して比較したところで、“フルサイズで35mm画角f/1.4開放と同等のボケ描写をAPS-Cで得るには、23mm画角f/0.9というスペックのレンズが必要となる”という部分でした。
 
f/1.4とf/0.9では一段とちょっとといった感じでしょうか。当然私には計算式など想像でしか解りませんのでありがたかったです。130ページほどある本の中の僅か二行くらいの文章でしたが、とても印象に残っています。
 
 
さて、香取神宮での撮影の後に「川の駅 水の郷さわら」に行ってちょっと休憩しながら付近の案内を見て、以前から行ってみたかった江戸時代の町並みが今なお残る「北総の小江戸」として有名な「佐原の古い町並み」を見に行ってみることにしました。
 
私は現代的な建物や街も好きですが、人の生活感があることを条件として古い建物や町並みも好きで、千葉県内の“小江戸”と呼ばれる町に行くのは大多喜町以来です。
 
そんな今回の撮影も、今年のはじめの頃から続いている私の不調だったり不運だったりというところも出てきていますが、プラナーで撮る古い町並みといったテーマで撮影しました。
 
撮影は愛機ニコンD810、レンズは単焦点50mmレンズ(Carl Zeiss PLANAR T*1.4/50mm ZF.2)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はLightRoomCC、補正はPhotoshopCCを使用しています。
 
 
佐原の町並み01
50mm, f/8, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
「川の駅 水の郷さわら」の駐車場から撮った遊覧船の乗船場です。何の捻りもない記念写真になりました。
 
 
佐原の町並み02
50mm, f/8, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
緑が鮮やかな田んぼで作業をしているおばあちゃんが絵になります。
 
 
佐原の町並み03
50mm, f/4, 1/1250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
収穫期の黄金の稲も良いですが、瑞々しさを感じる緑の稲も好きです。
 
 
佐原の町並み04
50mm, f/4, 1/1600, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
田んぼを撮っていたと思ったら唐突に古い町に着いた画です。田んぼから15分ほど暑い中歩いたのですが、その間はあまりピンとこなかったので、撮影していませんでした。古い雰囲気の建物とカーブしているアスファルトの道路。なんとも面白いです。
 
 
佐原の町並み05
50mm, f/9, 1/125, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
船着場でしょうね。それよりも上の道路、長い距離にわたってずっと工事中でした。orz…あとで地元の人に話を伺いましたら、翌週に行われるイベントのために道路を突貫工事中とのことで、私の不運が早速発動ですw
 
 
佐原の町並み06
50mm, f/9, 1/125, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
こういった趣きのある建物のお店、ほぼ全部がちゃんと営業しています。ちょっと陽射しが強いです。
 
 
佐原の町並み07
50mm, f/4, 1/1000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
それほど広くない川と柳の木が風情をかきたてますが、並べられた派手なカラーコーンが残念ですw
 
 
佐原の町並み08
50mm, f/4, 1/1600, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
街の中に入ればどの方向を向いても同じような印象の風景が見られます。
 
 
佐原の町並み09
50mm, f/4, 1/1250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
カメラ店とレストランです。この他に川沿いではなかったですが、看板の出ていないクラシックカメラの専門店もありました。
 
 
佐原の町並み10
50mm, f/4, 1/1000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
風情はあるのですが、ぶっちゃけ柳が邪魔だと感じることも時々ありました。隙間を狙う楽しみもあるんですけど、全体を考えるとバランスが難しくなっちゃいます。
 
 
佐原の町並み11
50mm, f/4, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
柳を額縁に暖簾をクローズアップしてみました。赤いのがなければ工事中でもそれほど分からないんですけどね〜。
 
 
佐原の町並み12
50mm, f/4, 1/250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
いつもなら“大開放祭り”にするような場面ですが、絞りは変えずに強くボカし過ぎない雰囲気を意識して撮りました。
 
 
佐原の町並み13
50mm, f/4, 1/1000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
観光地では町を歩く人のスピードがゆっくりになります。それも良いです。
 
 
佐原の町並み14
50mm, f/4, 1/1250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
川に沿って道路と建物がある町並みということで、撮影の際には様々な狙いが持てるので面白いです。ただオプションの数が多くてもチョイスが偏ってしまえば個性は出しづらいですね。
 
 
佐原の町並み15
50mm, f/4, 1/1000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
人が歩いているだけで良い雰囲気です。しかし日差しが強く空が白いです。
 
 
佐原の町並み16
50mm, f/4, 1/1000, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
重々しい雰囲気の木の扉があります。これもこれまでなら“大開放祭り”にするところですけどやってません。
 
 
佐原の町並み17
50mm, f/4, 1/400, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
これは醤油壺でしょうか。絵になります。
 
 
佐原の町並み18
50mm, f/4, 1/640, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
水瓶に水が張られていて奥には木の格子戸、日陰と日向の境い目もあって難しい撮影になりました。いろいろ選択肢はあったと思いますが、そのまま撮っちゃった私です。
 
 
佐原の町並み19
50mm, f/4, 1/1250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
料理屋さんの前で相談する人の影が色濃いと感じます。
 
 
佐原の町並み20
50mm, f/4, 1/320, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
その料理屋さんの入り口付近を撮りました。どこを切り取っても絵になる雰囲気です。
 
 
佐原の町並み21
50mm, f/4, 1/640, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
向かって右に見える蔵っぽい部分を縦構図で撮りました。
 
今回は以上です。
 
 
明るいレンズは様々なシーンで有効です。特に単焦点レンズは開放f値が小さいものが多いですからついつい開放にしたくなります。開放にして狙い所にピントが合っていると、奥行きを感じる単焦点らしい画像が残せます。
 
しかし慣れてくると背景のボカし方も意識して撮りたいところです。カメラによってはプレビューボタンがありますからボケ具合を確認しながらも撮れますが、プレビューボタンがない機種でもイメージだけはしたいところです。
 
そして開放にすると光が入りすぎてしまうと感じるケースもあります。明るい部分の色が白っぽくなったりすることもあって、花を撮るときには花の色が変わっちゃったりもします。
 
ボケ味にしても色味にしても、完成画像をイメージして適切な絞りで撮影することが大切なんだと思いますが、ファインダーを覗くとテンションが上っちゃう私はそこのところがまだまだ苦手です。
 
それでも今回のように日差しが強く、どんな場面でも背景までもが絵になるようなところでは、ボケも露出も自分のものとしてコントロールしたいです。いくらプラナーのディテール表現が高詳細だとは言っても、頼りっきりになってしまってはいけないと思いました。
 
 
次回も今回の続きで佐原の古い町並みを歩きながらの撮影です。宜しければまたお越しください。
 
 

 
 
スポンサーリンク