私にとって撮影と音楽を演る感覚が似ていると感じた & 映画を見に行ったついでに犬吠埼灯台で撮影(1)
みなさんは撮影スタイルにこだわりがありますか? このサイトをご覧頂いている人であれば分かると思いますけど、私は歩きながらの手持ち撮影にこだわっています。被写体や撮影する時間帯によって、時には三脚を立てることもありますけど、私は撮影するほとんどのケースで手持ち撮影をしています。
これまでも何度か言っていますけど、画質の面を考えたら“絶対に”三脚を使うべきです。それは極端な話、何を撮るにしてもそうで、逆に言えば三脚を立てられないシチュエーション以外では三脚使用は必須だと言い切ります。
正しく三脚を使うことで、手ブレが抑えられてシャッタースピードも遅くできますから、絞ってISO感を下げても高詳細な美しい写真を撮ることができます。で、そんなことは百も承知なんですけど私は三脚をほとんど使いません。
その理由は以前ここでもお話したことがありますけど、撮りたいと思った被写体を目にした際、三脚を段取っている間に心の中で終わってしまう感覚になってしまうからです。
そのことをよくよく考えてみたら、楽器を演奏する際のインプロビゼーション、いわゆるアドリブとか即興演奏に近い感覚だと気づきました。私はギターを弾くんですけど、若い頃はギターヒーローを目指していました。
私はどんな曲を演っても一聴して自分だと分かるプレイを信条としていて、自分が演る限り他の人とは違うフレーズで勝負していました。ソロプレイの殆どはアドリブで、天からイメージが降りてくるなんてカッコ良いことは言いませんけど、なんとなく音を呼びに来る感覚がありました。
呼びに来ると無心で弾きました。その結果がライブや録音に反映されます。時には失敗したこともありますけど、ギターを演っている間はずっとその感覚を持って弾いていました。クリエイターとして独立してからは、仕事で音楽を作ることもたまにありますけど、そのときだけ必死でギターの練習をしたりしていますw
話が逸れましたけど、私にとっての手持ち撮影って、ギターのアドリブプレイと同じ感覚なんだと思います。キョロキョロと辺りを見回して、フッと呼びに来る感覚があった際にシャッターを切る。ということを繰り返しています。
でもキッチリと作り込んだメロディやリフレインの良さも分かります。最近再ブレイクしているQueenのキラー・クイーンのギターソロなんてメチャクチャカッコ良いと思いますけど、その日その時の呼びに来る感覚を表現するのが私のスタイルだとすると、それはスナップ撮影とも似た感覚なのかと思いました。
正直、現時点では写真よりもギターのアドリブのほうが優れているという自己評価なんですけどw 撮影を他のものに例えるのは思いの外楽しいと感じましたので、みなさんにもオススメしたいと思いました。暇な時にでも考えを巡らすと楽しいかもしれません。
さて、不調が続いていた折、ちょっと前に蘇我に映画を見に行ったんですけど、まだ気分はパッとしなかったのでもう一本映画を見に行くことにしました。
蘇我で見たのはアニメ「劇場版 夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」だったんですけど、今度は「劇場版 のんのんびより ばけーしょん」を見に行こうと探していたところ、旭市にあるサンモールシネマで上映しているのを知り、見に行くことにしました。
正直、木更津から旭へ行くのはかなり遠いという感覚です。最低でも半日以上は覚悟しないといけないんですけど、どうせ行くのであれば少し足を伸ばして銚子で撮影しようと考えました。銚子は太平洋に面しているので早朝が良いかもしれません。
ということで、日の出前に犬吠埼灯台に着くように家を出て、一通り撮影した後に映画を見ようと考え出掛けました。
撮影は愛機ニコンD810、レンズは単焦点レンズ(Carl Zeiss PLANAR T*1.4/50mm ZF.2)、標準ズームレンズ(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR)、望遠ズームレンズ(AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はLightRoomClassicCC、補正はPhotoshopCCを使用しています。
D810, 24-120mm(40mm), f/4, 1/4, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
暗すぎてオートフォーカスが効きませんでした。シャッタースピードも手持ちではヤバめです。下に見える光源はクルマのヘッドライトの光です。
D810, 50mm, f/2.8, 1/2, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
オートフォーカスが来ないほど暗かったので、プラナーに交換しましたけど、さらにシャッタースピードが厳しくなり、ブレてしまいました。真っ直ぐな道の向こうに見える夜明け前の空。が撮りたかったんです。
D810, 50mm, f/2.8, 1/50, ISO2500, 撮影モード絞り優先オート
現着です。クルマは犬吠埼灯台の隣にある君ケ浜しおさい公園の灯台近くの駐車場に停めました。君ケ浜しおさい公園は、アニメ「アマガミSS」と「アマガミSS+」の舞台になっているスポットです。
D810, 50mm, f/2.8, 1/10, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
画では空が明るく見えますけど、実際にはかなり暗いです。ISO6400でもシャッタースピードが1/10になってしまいました。
D810, 50mm, f/2.8, 1/50, ISO2500, 撮影モード絞り優先オート
犬吠埼灯台に近づきながら撮ります。先程はシルエットだった灯台のディテールが見えてきました。
D810, 50mm, f/2.8, 1/50, ISO1600, 撮影モード絞り優先オート
灯台の前で珍しい白いポストを見つけました。
D810, 50mm, f/2.8, 1/50, ISO1600, 撮影モード絞り優先オート
今度は手前ボケです。マニュアルフォーカスなのでピントの移動が容易です。
D810, 50mm, f/2.8, 1/30, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート
「郵便は世界を結ぶ」と石に刻んであります。被写界深度が浅すぎて、文章の最後“ぶ”にフォーカスしたら奥の方がボケてしまいました。
D810, 50mm, f/1.4, 1/50, ISO320, 撮影モード絞り優先オート
灯台の明かりを開放で狙いましたら、周辺の光量落ちと相まって空の雲がおどろおどろしい雰囲気を醸し出しています。
D810, 50mm, f/2.8, 1/50, ISO4000, 撮影モード絞り優先オート
君ケ浜しおさい公園と犬吠埼灯台を結ぶ階段ですけど、早速降りているのはクルマにレンズを置き忘れてしまったためでした。
D810, 50mm, f/2.8, 1/60, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
着いたばかりの時に撮ったのと似たような構図で撮りました。時間の経過が分かる画になっていると思います。
D810, 50mm, f/4, 1/50, ISO1000, 撮影モード絞り優先オート
駐車場から撮る順光側の風景です。この時5時35分、まだまだ暗いですけど朝らしくなってきました。
D810, 50mm, f/4, 1/50, ISO110, 撮影モード絞り優先オート
まだ日が出ていませんけど、空のグラデーションがオレンジ色になってきました。ただこちら側は暗いです。
D810, 50mm, f/4.5, 1/60, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
灯台と水平線を同時にフレーミングしたかったのですが、ぶっちゃけ構図がイマイチでした。
D810, 50mm, f/4, 1/80, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
先程の白いポストと灯台を記念写真風に撮りました。なんの捻りもありませんw
D810, 50mm, f/5.6, 1/100, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
夜明け間近、7〜8人くらいの人生の先輩方がカメラを手に日の出を待っているようです。多分とても良い写真が撮れるスポットなのでしょう。しかし私には並んで撮影する価値観が理解できないので、離れたところから撮影する人を撮影します。
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/125, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
24-120mmにレンズ交換して、撮影している人と灯台を広角でフレーミングします。空の立体感も良い感じで、広角らしい画になりました。
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/60, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
すすきと岩場、水平線と広大な空、雲の背景のグラデーションが美しいです。
D810, 24-120mm(24mm), f/10, 1/80, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
明るくなってきたのでグイッと絞りました。もうすぐ太陽が顔を出しそうですけど、水平線の辺りには雲がびっしりと立ち込めているので、水平線から登る朝日は撮れませんね。
D810, 24-120mm(120mm), f/9, 1/200, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
雲の向こうではすでに日が登っている雰囲気ですけど、雲の隙間に刺す光をテレ端で撮りました。
D810, 70-300mm(300mm), f/5.6, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
さらに寄って太陽の光線を撮りたかったので70-300mmにレンズを交換しました。雲に光の輪郭線が出て美しいです。
D810, 70-300mm(165mm), f/7.1, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
165mmまで引いて撮りました。あくまで好みの問題だと思いますけど、寄りすぎるよりも若干引き気味のほうがバランスが良いと感じます。
D810, 70-300mm(300mm), f/7.1, 1/320, ISO1400, 撮影モード絞り優先オート
望遠で灯台を撮ってみようと、振り返って撮ってみます。ちょっと絞りすぎてISO感が上がっちゃいましたけど、海の方向と空の色が全く違うのが面白いです。
D810, 70-300mm(300mm), f/7.1, 1/400, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
上では引き気味のほうがバランスが良いと言っていますけど、輝く雲の輪郭を寄りで撮りました。
D810, 70-300mm(300mm), f/10, 1/320, ISO125, 撮影モード絞り優先オート
やっと太陽が見えました。とは言っても水平線からはずいぶんと登ってからになりました。思い通りにいかないのも自然界で撮影する際のデフォルトです。
D810, 24-120mm(24mm), f/11, 1/100, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
空のグラデーションと雲の立体感が美しい広角画です。わざと水平線を右上がりに撮りました。
D810, 24-120mm(24mm), f/11, 1/125, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
上と同じポジションで、少し右に振ってみました。太陽が真ん中あたりに来ると定番系の画になります。
今回は以上です。
この日見た映画「劇場版 のんのんびより ばけーしょん」は、期待通りの映画でした。この作品は、田舎に住む子どもたちが遊んだり勉強したりという、日常を描いている作品ですけど、舞台設定とか背景画などが、とても丁寧に描かれています。
私はアニメ作品を見て構図を勉強することが多いんですけど、実写映画よりも構図に対してイメージが湧きやすいと思っています。昔から映画自体は大好きなので、主に洋画の実写映画をよく見ていますけど、仕事でアニメに関わってからは、アニメ作品を見ることのほうが多くなりました。
ただの偏見かもしれませんけど、実写映画はキャストありきで作られることが多いので、俳優さんをフィーチャーした構図のカットが多い印象です。片やアニメは、どのキャラクターも絵ですし、実写よりは先入観がない状態で見られる上、背景や風景を映し出すカットも多いです。
あとは音楽的に見て(聴いて)、個人的にはアニメソングが今一番自由で発展的な音楽スタイルだと思っていて、同じシンガーやアーティストであっても、作品によって無限とも思えるような表現のバリエーションを持っています。
音楽的な映画については、なるべく見るようにしていて、古くは「アマデウス」や「天使にラブソングを」などから、最近の作品では「リメンバー・ミー」も見ましたし、「ボヘミアン・ラプソディ」も当然のごとく公開第1週に見ました。
「ボヘミアン・ラプソディ」は、ラストの21分が壮絶で感動的だと言われていますけど、私は最初の頃から泣いていましたw 映画館では大きなスクリーンも良いのですが、大音量が近くで鳴ってくれている感覚もとても良いと思います。
昔からよく聴いているQueenの名曲が、ドラマとともに大きな音で鳴っているんですから、すぐさま心に突き刺さりました。この映画の評判はすごいことになっていて、私たち中高年の人ばかりではなく、フレディー・マーキュリーが亡くなった後に生まれた若者の心までも掴んでいるようです。
やはり音楽は偉大だと感じた次第です。ちなみに私がオススメする音楽系の映画では「敬愛なるベートーヴェン」「パイレーツ・ロック」「コヨーテ・アグリー」、サントラが素晴らしいのは「カーズ」(1作目)、日本のアニメ映画なら「映画 けいおん!」「劇場版 響け!ユーフォニアムシリーズ」、実写邦画なら「BECK」「映画 四月は君の嘘」などが好きです。
そればかりじゃないですけど、そんな映画たちからも影響を受けて表現している私なのでした。
次回も引き続き犬吠埼灯台付近で撮った画像をご紹介します。宜しければまたお越しください。
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