いくつかの“高性能”を試してみて感じたこと(1) & 自分的にはちょっぴり遠出、茨城で撮影(4)


カメラレンズ Otus 1.4/55 ZF.2【ニコンFマウント】|ビックカメラ.com


 
前回記事の終わりの語りで触れた、世界最高水準の光学機器会社として圧倒的に支持されているCarl Zeissが、デジタル一眼レフに向けて作ったフラッグシップレンズのOtusシリーズ。
 
これが中古レンズ市場にかなり多く出回っている印象があるという話しをしましたけど、その理由を私なりに考えてみました。
 
私がカール・ツァイスのタッチ・アンド・トライコーナーで試写した際、カメラ内蔵の小さなディスプレイでも判る、クッキリとヌケが良いハイコントラストな画像に驚き、率直に言って感動しました。
 
これは凄い!と感動したのもつかの間、光学ファインダーを通してこれまでに見たカール・ツァイスの印象とはちょっと違うということにも気づきました。
 
私が愛用するプラナーでは被写体によって、ファインダーを覗きながらフォーカスリングをグリグリと回すと、光の加減でキラキラと見えて、シャッターを押すのを忘れてしまうほど美しく感じることがあります。
 
しかしOtusではファインダーに見える風景はあくまで自然、そして試し撮りをしてディスプレイに表示された画は、覗いたままをほぼ再現しつつ(実は高画質になった気もする)、色の境目にエッジを立たせない明瞭感を実現しています。
 
これは見方によっては、とても高次元の仕事を見た気持ちにさせてくれますけど、別の見方では非常に地味な仕事と感じてしまう可能性があるのではないかと思いました。まあ言ってしまえば、人によっては“とてもつまらない”と感じる人がいても不思議ではないということです。
 
Otusを手放した人から実際に話を聞いたことはありませんから、あくまで私の仮定の話として、デジタルカメラに最適化することで、光学的には理想に近づいたレンズなのでお高い訳ですけど、クラシックレンズのように光学的には劣っても、その“隙”が作る画を好んでいる人にとっては使えないレンズ。ということなのかも知れません。
 
機器として見た場合、ハイクオリティが良いのは間違いないんですけど、ハイクオリティが好き、とは必ずしもならないと言うことかも知れません。性能だけじゃなく自分なりの結果(写真)を写せる道具としてカメラを捉えた時、必ずしも性能だけではないという部分もあるのでしょう。
 
ただ、それら「好み」という価値観を否定する気はありませんけど、デジタル画像やデジタルカメラをより深く追求していくことで、自ずと道具もハイクオリティになっていきます。そこが理解できるかどうか、人それぞれだとは思いますけど、私の結論としてはOtus、めっちゃ欲しいです!!
 
そして後日、ニコン木更津アウトレット店にて、噂のフルサイズミラーレスカメラ「Z7」をタッチ&トライさせてもらいましたので、次回はZ7のファーストインプレッションを語りたいと思います。
 
 
さて、猛暑のとある日に丸1日時間が作れたので、自分としては結構遠いと感じるところに日帰りのプチ撮影旅行をしようと考えました。夜明け前に日立駅に到着するように出発して日立駅にて撮影、その後千葉方面に戻りながらいくつかのスポットで撮影しながら帰宅する。という計画で撮影した画像をご紹介する4回目で最終回です。
 
今回は日川浜海岸での撮影のみです。実はこの日、他のスポットにも回る予定だったんですけど、結局ここで最後になりました。
 
風車の足元が見たくて日川浜で砂浜を歩き回っていたのですが、砂が柔らかく、足が砂に取られ沈んで行く感覚に対抗しながら、炎天下の砂漠のようなところをずっと歩いていたので、それだけで私の体力は“終了”ということになってしまいました。
 
私は左腕に腕時計とパワーストーンのブレスレットをしていますけど、強い日差しでその部分が二重に白く残ってしまうほど、他の部分が日焼けしてました。履いていた新し目のスニーカーにあまり砂が入らないように歩いたつもりでしたけど、駐車場に着いた時に靴を脱いだらザーッと流れるくらい砂が入っていました。
 
そんな、自分的には過酷な撮影になってしまった日川浜海岸での撮影でした。
 
 
撮影は愛機ニコンD810、レンズは標準ズームレンズ(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR)と、望遠ズームレンズ(AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はLightRoomClassicCC、補正はPhotoshopCCを使用しています。
 
 
日川浜海岸09
D810, 70-300mm(170mm), f/10, 1/640, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
水面に太陽の光がキラキラ指して好きな感じの海でした。場所が違いますけど日の出前には、こんな海が見られるとは思っていませんでした。
 
 
日川浜海岸10
D810, 70-300mm(80mm), f/10, 1/800, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
空の青いところを大きくして撮りました。
 
 
日川浜海岸11
D810, 70-300mm(70mm), f/10, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
こういった画を撮りたかったです。海岸沿いに連なって立つ風車が素敵です。しかし風車の迫力も感じたいところではあります。
 
 
日川浜海岸12
D810, 70-300mm(220mm), f/10, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
グイッと寄ってみます。左端に砂浜を歩く人がいたので、画角はこの2人と風車でバランスを取りました。
 
 
日川浜海岸13
D810, 70-300mm(122mm), f/10, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
風車を主役に撮ります。海は写っていませんけど、オブジェクトのバランスはこの方が好みです。
  
 
日川浜海岸14
D810, 70-300mm(102mm), f/10, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
同じような画になってしまい、申し訳ありません。いろいろな画角を使っていろいろと試していました。ベストはひとつじゃないですけど試行錯誤するのは楽しいです。
 
 
日川浜海岸15
D810, 70-300mm(300mm), f/10, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
テレ端で風車に思いっきり寄ってみます。
 
 
日川浜海岸16
D810, 24-120mm(24mm), f/9, 1/800, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
ここで24-120mmに交換して広角端で撮ります。空のグラデが美しいですけど、周辺は光量落ちだと思います。
 
 
日川浜海岸17
D810, 24-120mm(120mm), f/9, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
標準ズームのテレ端で、また少し風車を大きめに撮ります。
 
 
日川浜海岸18
D810, 24-120mm(120mm), f/9, 1/640, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
同じ画角で地面を少なめに、空を多めにしてみました。
 
 
日川浜海岸19
D810, 24-120mm(120mm), f/9, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
振り返って別の風車を撮ります。こちら側は緑が鮮やかです。
 
 
日川浜海岸20
D810, 24-120mm(78mm), f/9, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
若干引いて78mmで撮ってみます。
 
 
日川浜海岸21
D810, 24-120mm(24mm), f/9, 1/640, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
広角好きとしてはこういった画も欠かせません。海はちょっとしか見えませんけど、砂浜と空がめちゃくちゃキレイでした。
 
 
日川浜海岸22
D810, 24-120mm(120mm), f/9, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
歩きながら振り返って撮ったりしていましたけど、狙いの風車に少しずつ近づいて来ました。
 
 
日川浜海岸23
D810, 24-120mm(120mm), f/9, 1/640, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
突然ですけど、砂浜を歩く過酷な感じを表現したくて、砂浜に立つ電柱と太陽の逆光を使って表現してみました。これを撮った時点ですでにフラフラですw
 
 
日川浜海岸24
D810, 24-120mm(46mm), f/10, 1/400, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
この辺りで結構悩み始めます。このまま進むか、戻るべきか。せっかく途中まで来たけれど、帰りの距離は進んだ分だけ遠くなるということで、疲れで意欲がかき消される状況になっていました。
 
 
日川浜海岸25
D810, 24-120mm(85mm), f/10, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
結局のところ前に進みますw 結構迫力ある感じで撮れましたけど、足元はまだまだ見えません。
 
 
日川浜海岸26
D810, 24-120mm(38mm), f/10, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
ここでまた、今度は風車を使って過酷さを表現してみました。とにかく暑い、歩き辛い、疲れた、、、この時の私です。
 
 
日川浜海岸27
D810, 24-120mm(38mm), f/10, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
同じ場所で同じ画角、水平線を入れるだけで爽やかになる気がします。
 
 
日川浜海岸28
D810, 24-120mm(120mm), f/10, 1/400, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
先程は300mmで撮った風車も、120mmでここまで寄ることができるくらい近くまできました。
 
 
日川浜海岸29
D810, 24-120mm(38mm), f/10, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
やっとこさ、風車の足元が見えるところまで来ました。この画では左隅に少しだけ海が写っているようにみえますけど、草原感満載の画になりました。ここまで来たことで目的はクリアできましたので達成感はありましたけど、クルマまで同じ距離を歩いて帰ることを考えると、同時に絶望感も感じていました。
 
 
日川浜海岸30
D810, 24-120mm(120mm), f/10, 1/320, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
たどり着いた目的地は高い場所なので、振り返って見る風景も先ほどまでとは違った雰囲気でした。
 
 
日川浜海岸31
D810, 24-120mm(120mm), f/10, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
見下ろす感じで海を撮ってみます。釣り人が小さく見えました。
 
今回は以上です。
 
 
茨城県への小旅行は、深夜23時半ころに出発したものの、翌日の16時くらいまでには帰ってきましたので、結果的には一日足らずのものでした。例によって撮影よりも移動時間が長いのは私らしいとはいえ、同じ様な人も案外多いかも知れないと思いました。
 
茨城県の海沿いは、ほとんどのスポットが朝日を絡めたくなるものでしたので、ハシゴして撮影するには適さないスポットもあります。今回撮った日立駅では霧が出ていましたし、日川浜海岸も朝日が絡むと、違った印象の画を残せることだと思います。
 
今回の撮影スポット近郊には、他にも朝日を絡めると良いと思われるスポットがいくつかありますので、気分次第ではありますけど、改めてリベンジしたい気持ちになりました。
 
結局3箇所しか行っていないわけですし、撮影時間は移動を含めても4時間半ほどだったのも、体力の低下があるとはいえ残念でした。それでも今回訪れた3箇所の撮影では、それなりの経験が積めたという自負がありますし、楽しかったです。
 
良い道具も大事ですけど、足を運んで撮影することのほうが大切だと感じた撮影小旅行でした。仕事柄、何泊かするような旅行をするのは今は難しいので、それほど遠くない近場のどこかに、また行きたいと思います。
 
 
次回は都内をクルマで走り回って、いろいろと裏目に出た中撮影した画像をご紹介します。宜しければまたお越しください。
 
 

るるぶ茨城 大洗 水戸 笠間’18 (るるぶ情報版 関東 3)

ジェイティビィパブリッシング 2017-11-07
売り上げランキング : 175326

by ヨメレバ

 
 
スポンサーリンク