個人的にズームレンズへの考え方が少し変わってきた話 & 鴨川の病院に行ったついでに南房総市で秘境探検(2)



ニコン AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR|カメラのキタムラネットショップ


私がデジイチを始めたとき、ニコンD3100(APS-C機)と、キットレンズの(AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR)のセットでした。その後、単焦点レンズの(AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G)を買うまでの3ヶ月間は、借り物のレンズはありましたけれど、自分が所有するレンズは18-55mmの標準ズームだけでした。
 
借り物レンズが(AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G)という、明るい単焦点レンズだったのと、標準・望遠ズームと単焦点レンズの3本を持つ友人が、当時(AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G)ばかりを使っていて、どこに行ってもそれ1本で撮っていたことから、単焦点レンズに興味を持ちました。
 
自分で(AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G)を買ってからは“修行”と称して50ミリの目(DX35mmだと35ミリ換算で52mm)を身につけるべく奮闘し、単焦点レンズで開放にした時のボケ味や描写にみるみるハマっていきました。
 
単焦点にハマっていた頃は、フレーミングする際にズームレンズはラク。単焦点は足で稼ぐから大変。けどズームレンズは暗い、単焦点レンズは明るくて高画質。という考えで撮影していました。
 
しかし、プロフォトグラファーの多くがズームレンズを使っています。その理由を考えてみたら、仕事をそつなくこなすためにユーティリティ性が必要なんだと最初は考えました。クライアントに気に入ってもらうためには、様々な状況に対応しなければならない。そういった理由からです。
 
そして、画質は良いけれど画角が決まっている単焦点レンズは趣味性が強い、という考えがありました。それらの考えはあながち間違いではなさそうですけど、最近は違った考えも持つようになりました。
 
ちょっと前まで、メインレンズはプラナー(Carl Zeiss PLANAR T*1.4/50mm ZF.2)と公言していましたけど、最近は標準ズームレンズ(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR)がメインと言って差し支えない使用頻度になっています。
 
それは構図マニアを自称する私らしい考え方かもしれませんけど、単焦点レンズは被写体との距離で構図が結構決まりがちなのに比べて、ズームレンズは使える画角の中ならば、無段階に画角を決められるため選択肢が多く、考えようによってはとても難しいと考え始めたからです。
 
ただ、これは単焦点には及ばなくても明るいズームレンズでなければ作品のクオリティが及ばないので、お高いズームレンズにしないと満足感は得られづらいと思います。それは構図マニアの私であっても、画によっては許容し難い差があります。
 
今はf4通しのレンズを使っていますけど、やはりf2.8通しのレンズが良いのは言うまでもありません。ニコンの純正品で言うと、私が初日にブチ切れた24-120mmの歪みや周辺の光量落ちも、24-70mmでは、かなり抑えられていると聞きます。
 
そして明るいレンズで撮影する中望遠から望遠の画角では、なんとも言えない美しい画を残すことができるので、24-70mmよりも70-200mmの方が手離せないというカメラマンが多いのも理解できます。
 
24-120mm f/4は、24-70mm f/2.8よりも性能では当然のごとく劣りますけど、70mmから120mmの画角をカバーできるのは有利ですし、この辺りの画角は使いようによってはとても印象的な画を残すことが可能になります。
 
初心者時代から現在まで、ズームレンズ→単焦点レンズ→ズームレンズとメインレンズを変えてきましたけど、私がこれからどうなるのか自分でも興味があります。お世辞にも上級レンズを使っているとは言えない現在の私ですから、ズームでも単焦点でもさらに良いレンズを使うと、また考えが変わるかも知れません。
 
これからしばらくは、ズームレンズでの構図をメインに取り組もうと思いますけど、みなさんはいかがでしょうか?
 
ちょっと見方を変えるだけで、興味深い撮影ができるかも知れません。
 
 
さて、鴨川市の病院に行ったついでに行ってみた、南房総市にある黒滝で撮った画像をご紹介する2回目です。整備されてはいますけど気分は“秘境探検”という楽しい撮影でした。歩みを進めていくと、新緑が美しく、流れる水の音に癒やされます。
 
記憶では滝まで歩いて5〜10分くらいで、あたりを見渡しながら歩いていれば案外とすぐに着いた印象がありました。途中の歩道も興味深く、少し進んでは振り返りを繰り返すのですが、とても好きな雰囲気の景色を見ることができました。
 
滝での撮影ということで、撮影時には三脚を立てて撮影したりもしていますけど、ほとんどは手持ち撮影という、こだわりの自分スタイルでの撮影です。
 
 
撮影は愛機ニコンD810、レンズは標準ズームレンズ(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はLightRoomClassicCC、補正はPhotoshopCCを使用しています。
 
 
黒滝14
D810, 24-120mm(120mm), f/4, 1/125, ISO3600, 撮影モード絞り優先オート
 
山肌? 谷肌? 壁の岩? 土? に水が滴り流れている様子を撮りました。
 
 
黒滝15
D810, 24-120mm(120mm), f/4, 1/125, ISO1600, 撮影モード絞り優先オート
 
表面がギザギザなので、光の角度によって光るのが美しいんですけど、上手く撮れませんでした。同じ場所で撮っていますけど、ISO感が一段違いますね、理由は私には分かりません。
 
 
黒滝16
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/40, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
自分がいる世界の外側はとても明るい世界のようですw
 
 
黒滝17
D810, 24-120mm(40mm), f/4, 1/40, ISO360, 撮影モード絞り優先オート
 
分かりきっていることですけど、これは黒滝ではありませんw 暗い渓谷に光が飛び交う良いシチュエーションです。
 
 
黒滝18
D810, 24-120mm(95mm), f/4, 1/400, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
木製のスノコのような橋をチェーンで引っ張って補強しています。印象的だったので撮りました。
 
 
黒滝19
D810, 24-120mm(112mm), f/4, 1/125, ISO280, 撮影モード絞り優先オート
 
なんともワイルドな取り回しですけど、木材も鎖も新し目で整備が行き届いている感じがします。自然と作り物の対比が印象的で、画だけを見ると不思議な光景にも見えます。
 
 
黒滝20
D810, 24-120mm(82mm), f/4, 1/100, ISO1100, 撮影モード絞り優先オート
 
橋の上から下を流れる水を撮ります。水面と橋の距離が近いので、狙いの画角だった82mmでもそこそこ寄れますが若干ブレてしまいました。
 
 
黒滝21
D810, 24-120mm(52mm), f/4, 1/60, ISO1000, 撮影モード絞り優先オート
 
ところどころ水面に当たっている陽の光が美しいです。中途半端な感じは否めませんけど、1/60くらいでもスローシャッター感があります。開放でピントが少し奥なので、手前がボケているのもあるかも知れません。
 
 
黒滝22
D810, 24-120mm(78mm), f/4, 1/80, ISO360, 撮影モード絞り優先オート
 
振り返って先ほど撮った橋を主役に撮りました。光が強く当たるところと影のところ、ハイライトとシャドーが極端なので、補正時の落ち着かせどころが難しいです。
 
 
黒滝23
D810, 24-120mm(52mm), f/4, 1/60, ISO450, 撮影モード絞り優先オート
 
少し引いて縦構図にして、今度は太陽の光がたくさん当たっている感じをイメージしてハイキーな雰囲気にしました。
 
 
黒滝24
D810, 24-120mm(38mm), f/4, 1/40, ISO280, 撮影モード絞り優先オート
 
進んできましたら小屋みたいな建物と、その小屋に登る階段があります。アニメとかファンタジームービーだと、この小屋から魔法使いとか仙人とかが出てきそうな雰囲気です。
 
 
黒滝25
D810, 24-120mm(34mm), f/4, 1/40, ISO200, 撮影モード絞り優先オート
 
上の画と同じ位置で縦構図にします。若干画角は変わりましたけど、見た目の明るさが明らかに違うのが興味深いです。
 
 
黒滝26
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/30, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
建物の全容が見えました。これは小屋ではなく屋根付きの展望台のようです。左側にも階段が見えて、さらにカッコ良い雰囲気を醸し出しています。
 
 
黒滝27
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/25, ISO220, 撮影モード絞り優先オート
 
これが黒滝のようです。落差15mということですが、下から見るとそれほどの高さには見えません。これは建築現場などではよくあるんですけど、自分が立っている足元から目までの距離を差し引くので高いところが近く感じます。逆に高いところから見下ろすときには、足元から目線の高さを実際の高さに加えるので、さらに高く見えるという現象ですね。
 
 
黒滝28
D810, 24-120mm(52mm), f/4.5, 1/60, ISO1100, 撮影モード絞り優先オート
 
滝を見つけたところで振り返りますと案内板があります。クルマを停めたはなその広場から200mmということです。
 
 
黒滝29
D810, 24-120mm(75mm), f/10, 1/50, ISO6400, 撮影モード絞り優先オート, 三脚使用
 
絞って撮ってみます。ISO感が設定上限まで振っていますから、露出的にはかなり厳しいセッティングでしょう。絞り優先オートとISOオートではここまででしょうか。
 
 
黒滝30
D810, 24-120mm(78mm), f/22, 3秒, ISO100, 撮影モードマニュアル, 三脚使用, 露出補正-5
 
フィルター無しで最大の絞り、露出補正もマイナスに最大で撮るとこうなります。実はD810の場合、実用ISO64まで下げられますけど、そこはISO100固定で撮っています。
 
 
黒滝31
D810, 24-120mm(78mm), f/22, 5秒, ISO100, 撮影モードマニュアル, 三脚使用, 露出補正-5
 
シャッタースピードを5秒にするとこれくらい明るくなりました。
 
 
黒滝32
D810, 24-120mm(55mm), f/22, 5秒, ISO100, 撮影モードマニュアル, 三脚使用, 露出補正-5
 
滝のアップだけではつまらないので、ちょっぴり引いて撮りました。構図的にはこれくらいの方が好みですけど、滝の最上部の後ろ、日差しが強くなっていたので、あまりシャッタースピードを遅く出来ませんでした。
 
 
黒滝33
D810, 24-120mm(34mm), f/22, 2秒, ISO100, 撮影モードマニュアル, 三脚使用, 露出補正-5
 
自分の立ち位置を変えて上の日差しからの影響を受けづらくしました。2秒ですけどそれなりに美しいです。
 
 
黒滝34
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/25, ISO560, 撮影モード絞り優先オート
 
早くも三脚に飽きて手持ちで撮り始めてしまいました。開放にしたので一気に画の詳細感が損なわれてモヤッとした画になりました。
 
 
黒滝35
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/25, ISO500, 撮影モード絞り優先オート
 
上の山の切れ方がカッコ良かったので、それを上手く表現したいと思って撮りました。後で見るとこういった画ではノイズの乗りも少ないので、ISO感が上がっても絞る勇気が必要だと感じました。
 
 
黒滝36
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/25, ISO1000, 撮影モード絞り優先オート
 
これも同じく絞りたかった画です。ノイズ嫌いな私ですから、現場でISO感が跳ね上がるような撮影には恐怖心があります。目が悪いので小さいディスプレイではよく確認できません。そこを改善する努力をしないので、いつまでも下手ですし失敗画も多いんだと思います。
 
 
黒滝37
D810, 24-120mm(24mm), f/4, 1/25, ISO640, 撮影モード絞り優先オート
 
変化が欲しかったので手前に岩を置いて撮ってみました。変化はありましたけど、あまり効果的ではなかったです。
 
 
黒滝38
D810, 24-120mm(120mm), f/4, 1/25, ISO2000, 撮影モード絞り優先オート
 
ここで滝の一番上をテレ端の120mmで撮ってみます。水が暴れるように弾けている画像が撮りたかったんですけど、そこまでの水量も勢いもありませんでした。
 
今回は以上です。
 
 
久しぶりに現場で三脚を使いましたけど、記憶ではインターバル撮影に失敗した太東海水浴場以来でした。ロケーションはとても良かったですけど、撮影としてはあまり良くありませんでした。
 
それは技術とかセンスとかもあるとは思いますけど、道具の面が2つ。ひとつはNDフィルターがなかったので、5秒を超えるシャッタースピードが使えなかった。(厳密には10秒を試してかなり真っ白になったので6秒とか8秒では結果が違ったかも知れません)
 
もうひとつは三脚がちょっと使えないレベル。ということでした。これは縦構図が出来ないということなんですけど、D7100&28-300mmではなんとか大丈夫だけど、D810&24-120mmでは重みで前が下がってきちゃうということです。
 
縦構図の場合、どんなに強く締めたつもりでも、カメラとクイックシューを止めるネジがカメラとレンズの重みで緩んできちゃうんですね。それによってセッティングに時間がかかってしまうので、ただでさえ手持ちで撮りたい私は早々に三脚を使わずに撮り始めてしまいます。
 
Fotopro アルミ三脚 C-5iは、すでに生産が完了している三脚ですけど、メーカー内では中型三脚にラインナップされていたので、購入当時の私は少し先を見据えて購入したつもりでしたけど、ちょっと読みが甘かったようです。
 
同じような価格帯でも、スリックのクイックシューのネジは大きく頑丈そうな印象なので、今にして思えばスリックにしておけばよかったかも知れませんけど、軽くてコンパクト、横構図であればまだまだ全然使えます。
 
普段使わない&使う気がない&使いたくないという2つのツールが、今回の撮影ではネックになりました。NDフィルターは高望みをしなければそれほどお高くはない印象なので、77mmのNDフィルターも最低1枚くらいは持っていたほうが良いでしょうね。
 
三脚については、興味が無いなりにちゃんと調べて買った方が良い気がしますけど、調べると言ってもネットではなく、実際のお店で調べるほうが良さげです。即購入というわけにはいきませんけど検討したいと思います。
 
 
次回も今回の続きで黒滝付近で撮った画像をご紹介します。宜しければまたお越しください。
 
 

by カエレバ

 
 
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