【曇天で撮る!】海の近くをクルマで移動しながら – コントラストを意識してみた(3)




 
ここのところの異常気象によって被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げます。
 
河川の氾濫や堤防の決壊など多くの人が被災しました。私の住む木更津市や隣接する地域でも避難された人もいたようですが、私のところは大丈夫でした。
 
市役所から警戒を呼びかける放送が深夜でも行われていたのは印象的でしたが、現に深夜に被災した箇所もありました。そして今朝、大きな地震があり、その地震で私は飛び起きました。
 
木更津は震度4だったらしいのですが、いつもの震度4とはまったく違うと感じるもので、普段では起こらない棚の上から物が落ちたり倒れたりということがあって、朝から片付なければいけませんでした。
 
そして、どういった状況であっても容赦なく日常はやってきます。
 
 
さて、前々回記事と、前回記事の続きです。
 
前回までに下洲地区から富津岬、内海の漁港へと移動してきました。前回は構図について考えてみましたが、やはり敏感に反応してくる知人もいました。
 
構図については常に考えるべきだと思いますが、今回は曇天撮影で「キモ」になるかもしれない部分、コントラストを意識するような画が多かった気がします。
 
今どき流行りの白飛びしたハイキーな画だと、曇天のコントラストの表現は難しいと感じるコントラストの奥深さを感じます。
 
撮影時に調整できればベストでしょうけれど、後作業であっても適切なコントラストが表現できると良いですね。確かにちょっとした調整で色々と表情を変える画を見ているとハマってくる感覚もあります。
 
特に海の波紋や雲の濃淡、そして今回も撮っている鳥を立体的に認識させる背景のトーンの設定などの作業が楽しかったです。これを撮って出しで撮影できるようになるのにはかなりの経験を要すると感じましたが、意識しなければ経験を積んでも出来るようにはならないとも思います。
 
一見地味でつまらない画のようですが、やってみたらその面白さに気づきました。
 
 
撮影は愛機ニコンD7100、レンズは単焦点レンズ(AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G)と、望遠ズームレンズ(TAMRON AF28-300mm f3.5-6.3 XR Di ASPHERICAL A061N)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正しています。RAW現像はLightRoomCC、補正はPhotoshopCCを使用しています。
 
 
漁港07
35mm, f/3.5, 1/3200, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
少し青空が見えました。曇天撮影がテーマとはいえ青空が見えるのは嬉しいもんです。これは海に刺してある棒と、静かな波の感じから奥をボカして幻想的にしてみたくて撮りました。しかしそういった狙いの時に青空が見えるという皮肉です。
 
 
漁港08
35mm, f/10, 1/400, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
同じような画ですが右に移動していて、絞りも絞っています。絞ったことで海が目立ってきて、水面に表情が出てきました。
 
 
漁港09
35mm, f/10, 1/500, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
標準画角としては広めに見える画になりました。防波堤をラインのように下に入れたのでメリハリのある感じになりました。相変わらず水平線は良く分かりませんが好きな画です。
 
 
漁港10
35mm, f/10, 1/200, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
防波堤のところで撮りたいものを見つけたのですが、標準画角では遠くて近づけないのでレンズを取りに行こうとクルマに向かっていた時に撮りました。この日は雨が降ることもあったので交換レンズはクルマの中に置きっぱでした。漁船停泊用の鉄パイプが均等に立っていて、静かな水面に映っていたのが気になりました。またまったく興味を示さない鳥も良い味を醸し出してくれていると勝手に思っています。
 
 
漁港11
28-300mm(300mm), f/10, 1/400, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
望遠レンズに交換したので、船の上にいた先ほど(前回記事)の鳥を寄りで撮りました。こういった画をレタッチアプリで自動補正すると、鳥の頭と空の色が同化してしまうケースが多いです。鳥の頭をより白くして空の明るさをちょっと落とすと鳥に立体感が出ると思います。やり過ぎには注意ですよ。
 
 
漁港12
28-300mm(300mm), f/10, 1/320, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル(トリミング)
 
これも同様にマニュアルでのレタッチですが、立体感ばかりに気を取られると鳥から生気が感じられなくなって剥製みたいになってしまいます。レタッチはほどほどにw
 
 
漁港13
28-300mm(300mm), f/10, 1/250, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル(トリミング)
 
少し間隔を置いて鳥が止まっています。実はここにズラーっと鳥が並んでいたのを見てレンズを取りに行ったのですが、戻ってきたら数羽しか残っていませんでした(口惜しい…)上の画もそうですが、あまり近づきすぎると逃げられてしまうので、角度と距離をちょっとずつ詰めながら撮っています。しかしこの構図は失敗でした…左の鳥の左側のスペースがなさすぎて窮屈になってしまっています。
 
 
漁港14
28-300mm(300mm), f/10, 1/250, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル(トリミング)
 
これはInstagramに投稿したのと同じ画ですが、色味を変えています。その日の気分からインスタには暗めの画像を投稿しましたが、マトモにやるとこっちかな、と思います。【主演:鳥】といった良い感じで佇んでくれました。
 
 
漁港15
28-300mm(50mm), f/5.6, 1/800, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
多少青味が強いですが曇天の雰囲気が良く出ていると思っています。空がちょっと明るすぎる気もしますが、奥行き感が良く出ていて幻想的と言えなくもありません。でもただの漁港です。
 
 
漁港16
28-300mm(185mm), f/8, 1/320, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
静かな海にはリフレクションがよく似合う。といった感じの日の丸構図です。オレンジ色の棒が変化を醸していて面白いですが、掘削現場の要塞が見切れているのはマイナスポイントですね。でも消しませんでしたよ。
 
 
漁港17
28-300mm(300mm), f/8, 1/320, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
これもオレンジ色の棒が面白いです。良い感じの距離で飛んでいる鳥を撮ったのですが、やっぱりブレました。
 
 
漁港18
28-300mm(300mm), f/8, 1/320, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
羽が海に映るくらいの低空飛行が好きですが、ここは水面に注目です。ちょっと触ると結構大きく変わる水面のコントラストの部分は調整しがいがあります。大別するとほぼ三種類のトーンで出来ている画ですが、いろいろと語らせることが出来るかもしれません。
 
 
漁港19
28-300mm(300mm), f/8, 1/200, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
彩度の低い被写体ばかりを撮っていたので、たまには派手な色味のものを撮ってみました。実はそこから離れようとしてクルマに向かって歩き出したらこの花が見えたのでした。でもあまり良いロケーションではないので、普段なら撮らないかも知れないところでした。背景が民家になってしまうので思いっきり寄せて撮っていますが、花が後ろ向きだったのには気づきませんでした。
 
 
漁港20
28-300mm(92mm), f/8, 1/320, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
寄り過ぎたと思って引いてみましたが、やっぱりゴチャゴチャしてロケーションは悪いです。花の向こう側に回りたいところですが足元が悪かったので断念しました。
 
ここで移動します。この時の撮影では最後のスポットになる公園です。この公園は一度horogonさんに連れて行ってもらったことがある場所で、garakutaさんにもここで撮影した写真を見せてもらったことがある地元では案外メジャーなスポットです。
 
公園の名前は、公園駐車場の立て看板などには書かれてあったかもしれませんが、見ずに帰宅してネットで調べたところ分かりませんでした。ですからここでは公園としておきますが、漁港での撮影の際に見えていた公園だったので気になって行ってみました。
 
 
青木の公園01
28-300mm(300mm), f/8, 1/125, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
上総地区の公園では駐車場にクルマを停めて歩き出すと、かなりの高確率で猫を見かけます。袖ケ浦公園などは野良猫が増えすぎて問題になっているとテレビでも言っていましたが、ここも同じような感じなのかもしれません。画は手ブレか甘ピンか、ダメダメです。
 
 
青木の公園02
35mm, f/1.8, 1/80, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
何の変哲もない歩道ですが、光を感じるにはこういったところは適していると感じます。開放にしてもシャッタースピードが稼げない暗さの中、差し込む光が見られます。しかし開放では光があたっている葉がボヤケてしまって良くないです。反面、右の木の幹がリアルに見えてセッティングの特徴が出た画になりました。
 
 
青木の公園03
35mm, f/1.8, 1/3200, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
暗い遊歩道から芝の敷き詰めてある遊び場を撮っています。強いコントラストを表現したかったのですが、開放で良かったかどうかは懐疑的です。この画像でも下の土の部分をどれくらい出すかをシャドーで調整したのですが、ちょっと周辺減光を意識したりして楽しかったです。
 
 
青木の公園04
35mm, f/2.8, 1/640, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
約一段絞って横構図にしました。右の木がすごく邪魔ですね。撮っている時には日陰感を出すためにわざと入れたんですが、完全に裏目ってます。
 
 
青木の公園05
35mm, f/2.8, 1/320, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
日陰からの撮影ばかりだったので光を浴びる緑の葉を撮りました。初秋ですがまるで新緑のようので、敢えてホワイトバランスを高めにして木漏れ日感を高めてみました。緑が多い画の色温度を下げると青々として冷たい感じになってしまいますから、高めにしてあげることで温かい印象にすることが出来ますね。くれぐれもやり過ぎには注意ですけどねw(本日3度目)
 
 
青木の公園06
35mm, f/2.8, 1/30, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
また落葉を見かける季節になってきました。雨上がりのアスファルトに少しだけ枯れ葉が落ちている画ですが、これ以上開放にするとアスファルトの光が増してしまうので白っぽくなっちゃいます。ということでのセッティングでしたが、被写界深度でボケているのかブレているのか分からない画になっちゃいました。
 
 
青木の公園07
35mm, f/2.8, 1/500, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
公園の中を歩いていたら、階段の斜面と向こうに見えるベンチのラインが交差している感じに思えたので撮ってみましたが、イメージ通りには撮れませんでしたw
 
 
青木の公園08
35mm, f/8.0, 1/320, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
これも交差シリーズで、展望デッキに登る階段の手摺の交差している感じを下から撮りました。これもトーンを意識してレタッチするとステンレスの表面のディテールが出てきて楽しいです。薄い水色の空とシルバーは近似色ですので、こういった画でもコントラストによって個性的な表現が可能になると思いました。
 
今回は以上です。
 
 
実はこの後、夜から日付変更線をまたいでの打ち合わせがあるのですが、例のクライアントが前回の楽天スーパーセールでカメラを買ったらしいんです。しかし今使っているのと同クラスの現行エントリー機だということで、「おめでとうございます」とは言ったもののちょっと驚きました。
 
同じクラスとはいえ新型ですからいろいろと良くなっていると思うので、悪くない選択かもしれませんが、私だったらやらないことなのでやはり驚いたという感想ですね。
 
かといえば最近では、カール・ツァイス沼の住人が、私を沼に引きずり込もうと色々と言ってきてくれています。カール・ツァイスも、新しくデジイチ用に設計されたレンズ「ミルバス」を発表したことを受けて、「レンズ買いましたか?」なんていう唐突な電話をしてくれます。
 
今のところ自分から沼に入る気はないのですが、こういったものは自分が入ってないと思っていても、いつのまにやらどっぷり浸かって気持ちよくなっていることも多いですから、気をつけないといけませんね。
 
誰も買わないと言っているわけではないのですが、それでも信者は攻めてきますw さて、どうしましょうかね〜、高いですしね〜。
 
参考リンク:コシナ:ミルバストップページ
 
次回は【曇天で撮る!】の最終回です。少し青空も見えてきたりもしましたが、公園で引き続き色々撮っていますので、宜しければまたお越しください。
 
 

by カエレバ

 
 
スポンサーリンク