【曇天で撮る!】海の近くをクルマで移動しながら – 曇天撮影で楽しく構図を考えてみる(2)

アウトドア&フィッシング ナチュラム
 
デジタルカメラ業界は高画素化が進んでいます。キャノンがAPS-H(約29.2×20.2mm)のセンサーサイズで世界最高という約2億5千万画素のセンサーを開発したとのニュースが出ていました。
 
ここまでくると画素ピッチを想像しただけで笑ってしまうようなスペックですが、このセンサーは様々な用途で活躍することでしょう。
 
手持ちで撮影するデジカメというジャンルに限って言うと、画素数が多いからと言っても何もかもが良くなるわけではありませんね。上述した画素ピッチが細かくなればなるほど、撮影時にはそれなりの注意が必要になると思います。
 
手ブレ補正機能も絶対ではないですから、それこそちょっとした振動でもブレたりするでしょう。気軽に手持ちでバシャバシャとは撮れないこともありそうです。
 
ただ高スペックが大好きなユーザーも相当数はいると思いますから魅力的なんだと思います。昔ながらのフィルムカメラを追い掛けてきたデジカメも、あるところからカメラという呼び名は同じですが、別の記録媒体になりつつあります。
 
フィルムカメラにはフィルムカメラの、デジタルカメラにはデジタルカメラの良さがそれぞれあると思いますが、結局はそれを操るのは人間ということではないでしょうか。(ドヤッ!←嘘〜〜んw)
 
 
さて、前回記事の続きです。
 
下洲地区から富津岬の突端まで移動しました。学生の夏休みも終了しているので、そこにいたのは大人ばかりでした。天気も良くなかったですがジェットスキーやバーベキューなどをしている人たちがいました。
 
そして第一海堡や第二海堡も見えましたので撮ってみました。その後は下洲海岸とは反対側、北側の漁港にも行きました。漁港では多数の鳥と漁船を絡めて撮りました。
 
そこで構図とかレイアウトなどを色々と考えていたら結構楽しかったのですが、あとでトリミングした画像も含めて、その辺りの話も挿みながら行きたいと思います。
 
 
撮影は愛機ニコンD7100、レンズは単焦点レンズ(AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G)と、望遠ズームレンズ(TAMRON AF28-300mm f3.5-6.3 XR Di ASPHERICAL A061N)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正しています。RAW現像はLightRoomCC、補正はPhotoshopCCを使用しています。
 
 
岬01
28-300mm(60mm), f/11, 1/250, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
砂浜とジェットスキー以外は彩度が低いです。向こう側に見える工場がどんよりとしています。
 
 
岬02
28-300mm(300mm), f/8.0, 1/500, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
なんとも言えない重々しい雰囲気ですが、ジェットスキーの緑がコテコテに見えます。後ろに見えるのは掘削現場でしょうか?要塞みたいです。
 
 
岬03
28-300mm(300mm), f/8.0, 1/500, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
上の画像も同様ですが、f/8.0の絞りでも1/500のシャッタースピードが稼げていますので、それなりには明るいと思います。でもブレてますw
 
 
岬04
28-300mm(300mm), f/8.0, 1/500, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
連写で撮ってはないですけど連続写真ですw 特に何も考えずに動いているものを、なんとなく追いかけて撮っています。海と空が見事なモノクロ感です。
 
 
岬05
28-300mm(120mm), f/8.0, 1/500, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
どんなに天気が悪くても2人には関係ないんでしょうね(棒)、ここでカップルをどのくらいの大きさでどこに入れるかを考えてみます。広い海と曇天の空を見せたいのと、2人の向きや男性の目線を考えるともう少し右が切れるくらいの画角でも良かったかもしれませんが、ここでカップルだけを狙っちゃうと宜しくないと思います。
 
 
岬06
28-300mm(28mm), f/8.0, 1/400, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
違う場所で停泊中のジェットスキーと波打ち際で遊ぶカップルです。地味には違いないですけど多少色味が増えて嬉しくなってきました。
 
 
岬07
28-300mm(78mm), f/8.0, 1/640, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
第一海堡と第二海堡です。ただ正面から撮っただけですので記録としてはともかく何も面白みを感じない画です。
 
 
岬08
28-300mm(55mm), f/8.0, 1/640, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
画角も少し遠目にしていますが、砂浜と波を入れると少しだけ画に動きが出てきますね。引くことでカメラもいろいろな色を拾っている感じです。
 
 
岬09
28-300mm(28mm), f/8.0, 1/640, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
さらに引くと奥行きと立体感が増しますね。すべてとは言いませんが、目立たせたいからアップで撮る。と言うのは個人的にはあまり良くない考え方だと思います。
 
 
岬10
28-300mm(28mm), f/8.0, 1/500, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
特に主役のオブジェクトは置いていない画ですが、晴れていない暗めの天気でも海の底が見られる浅瀬の部分の透明感が美しいです。画の左側、西の方向が明るくなってきました。
 
 
岬11
28-300mm(28mm), f/11, 1/250, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
東側を向くとまだどんよりしています。三角形に見える砂浜と海ですが、空との割合が考えどころです。水平線を横二分割構図にしてしまうと砂浜の茶色成分が強くなりすぎる気がしました。
 
 
岬12
28-300mm(42mm), f/11, 1/250, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
停泊中のジェットスキーを主役にしてみます。明確な目標がある時に無邪気にそれに近づくのはどうかと思いますし、せっかくの広い景色をわざわざ狭く撮ることもありません。
 
 
岬13
28-300mm(28mm), f/11, 1/250, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
先ほどのカップルが余程楽しいことがあるのかまだまだ遊んでいます。と言っても先ほどの写真から約3分ほどしか経っていませんでした。
 
 
岬14
28-300mm(185mm), f/6.3, 1/800, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
水しぶきってこんなに白いんだぁ〜、と感じる画になりました。手前の砂が良い感じでボケていますが、雨水を吸って黒ずんでいるので砂っぽくはないです。
 
 
岬15
28-300mm(60mm), f/6.3, 1/640, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
これまでとは一転、明るくなってきた空と緑のお陰で彩度が高い画像になりました。補正時に思わずコントラストを下げたのは内緒だw
 
ここで移動です。何かないかとトロトロとクルマで走っていましたら、漁港に鳥がたくさんいたのが見えたので、先ほどの海とは違った海の写真が撮れるかと思い立ち寄ってみました。
 
 
漁港01
28-300mm(300mm), f/6.3, 1/640, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
鳥です。カモメなのかウミネコなのか分かりません。ググってみると嘴の色からウミネコのような気がしますが、カモメ科の鳥です。こういった画を撮るときに鳥とリフレクションを残してトリミングしてしまいたくなる人もいるかも知れませんが、海に映る杭や波紋などを残したほうがこの画には向いていると思います。
 
 
漁港02
28-300mm(110mm), f/6.3, 1/640, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
少し引いてみると結構な数の鳥がいます。漁船も良い感じにフレーミングしていますが、個人的に主役は右下のブイに止まっている鳥です。存在感がハンパないですw 静かな印象の画になりました。
 
 
漁港07
28-300mm(155mm), f/6.3, 1/500, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
突然鳥が暴れ始めました。驚いてカメラを向けているので甘ピンですが鳥の躍動している感じは撮れました。しかし情報量が多すぎる画になってしまいました。これまでは結構引いた構図をオススメしてきましたが、こういった場合には思い切って寄るのも良いかと思います。まあケース・バイ・ケースということで。
 
 
漁港03
ということでトリミングしました。
 
ほぼ真ん中に写っている鳥が何かをくわえているように見えます。トリミングしたらゴチャゴチャしていた情報量はシンプルになりましたが、甘ピンが目立ち始めますのでアンシャープマスクをぶっかけました。(やり過ぎは禁物よ♡)
 
 
漁港04
28-300mm(300mm), f/6.3, 1/320, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
上のトリミング画像に近い画角で撮ろうと現場でとっさにズーミングしましたが、ものの見事にブレました。実は鳥がこちらに向かって飛んできているように見えたので、結構ビビってまーすw
 
 
漁港05
35mm, f/6.3, 1/800, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
明るい単焦点レンズに付け替えました。先ほどの静かな画像と違って動きがある画になりました。それにしてもそれぞれが違った動きをしている鳥が見ていて楽しいです。
 
 
漁港06
35mm, f/7.1, 1/500, ISO100, 撮影モード絞りオート, WBマニュアル
 
船の高いところに止まっている鳥を見ていたらズームアップで撮りたい衝動に駆られます。しかし35mmに替えたばかりですから35mmで良さ気な画を心掛けてみます。
 
今回は以上です。
 
 
今回は少し構図のことなどを語っていますが、これは個々人の好みと言われればそうだと思います。それでもプロのクリエーターの端くれの意見として読んでいただけると嬉しいです。
 
InstagramをはじめとするSNSなどで見かける、私が素人くさいと感じる構図に、写したいものを中途半端に大きく写す人の画が多いということがあります。そういった人の多くは、自分が動かずに安易にズームリングを回して考えずに撮ったんだろうな〜と想像できるような画に見えます。
 
全部がそうじゃなくても良いとは思いますが、出来れば見る人が入り込む余地を作ってあげられるのが理想だと思います。音楽に“休符を歌う”という言葉と表現がありますが、隙間や空間でどれだけ語れるのかもセンスだと思います。
 
やはり基本は自分が動いて、近すぎた時のオブジェクトの切り方や、遠い時の配置などを常に考えながら撮るのが大切だと思います。ただそれに慣れ過ぎちゃって、何を撮っても同じアングルと似た構図という安易なベテランさんも見られますけどねw
 
サッカー日本代表で監督をしたオシムさんの言った言葉に「考えて走れ!」という有名な言葉がありますが、カメラでも「考えて撮れ!」という言葉が当てはまるのかも知れません。
 
そろそろ毒を吐いていると某氏に言われそうですからこの辺りで止めておきます。しかしあまり偉そうに語ってしまうと、自分で自分の首を締めている感じになっちゃいますから、これからは控えようと思います。
 
 
次回も【曇天で撮る!】の続きです。宜しければまたお越しください。
 
 

 
 
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