毎年送られてくるツァイス沼へのお誘いが今年も来た & Milvus35mm/F2縛りで夕方から夜、東京駅〜秋葉原駅を歩きながら撮影(3)




2015年の10月に、“Carl Zeiss Planar T* 1.4/50 ZF.2”を購入してユーザー登録したことで、その翌年から毎年最新カタログが送られてきます。それはまるで毎年訪れる「ツァイス沼からのお誘い」のようでもありますw
 
私は沼にはハマっていませんし、これからもハマる気はない訳ですけどw いや、ほんとに。カメラもレンズもあくまで表現するための道具なので、そこは違うと言っておきたいところです。
 
とはいえ良い道具のほうが良いに決まっていますね。そういった意味でカール・ツァイスはとても良い道具だと思います。そんな私が使っているカール・ツァイスレンズを製造しているのは、長野県にある株式会社コシナです。
 
同じカール・ツァイスブランドでもソニー製品については、ソニーが製造しているとされていますけど、T社が作っているという噂があるようです。オートフォーカスとかズームレンズとか、一部の方々にはとても魅力的なレンズもあります。
 
コシナに話を戻して、コシナは他にフォクトレンダーの商標使用権も持っています。コシナがどっち推しなのか詳しくは知りませんけど、送られてくるカタログは必ず2冊(カール・ツァイスとフォクトレンダー)で、他にフォクトレンダーのロゴが入ったクロスも同梱してくれています。
 

iPhone7で撮影
 
そういった気配りからブランドに対する愛着や忠誠心が湧いてくるのだと感じます。そして以前Planarを購入したときにも、取説の最初に「最高の画質」と書かれていて笑いましたけど、Milvusの取説にも興味を惹かれる文章がありましたので、以下に引用します。

このレンズによって、写真撮影の楽しみが一層広がり、よりよい撮影成果が得られるものと確信しております。
 
至上のレンズを設計、製造する – これには多くのことが要求されます。最高レベルの科学技術が必要なのはもちろんのことですが、何より欠かせないのが情熱です。情熱がなければ、成功もありえません。

 
そして「ZEISS Milvusファミリーの特長」のはじめに「無類の光学性能」とありました。自信に溢れ、強い情熱を感じる取扱説明書に感動して、自分もそんな仕事をしたい。と感じた私でした。
 
 
さて、夕方の東京駅から夜の秋葉原駅までを歩いて撮った画像をご紹介する最終回です。
 
この日は、Milvus T* 35mm F2ですべての撮影をする、Milvus縛りにしました。それはファーストインプレッションのときに、夜景の撮影をしなかったからということと、ストリートスナップに向いているとされる35mmの画角のみで撮りたいと思ったからでした。
 
前回は日本橋から神田駅まででしたが、今回は神田駅から秋葉原駅までの画像をご紹介します。万世橋を渡ると風景が明らかに変わりますけど、クラシックな風景とアキバらしい風景が混在する楽しい街でした。
 
しかしその時には歩き疲れていたので、秋葉原駅から総武線に乗ってさっさと帰りました。
 
撮影は愛機ニコンD810、レンズは単焦点レンズ(Carl Zeiss Milvus T* 35mm F2 ZF.2)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はCameraRaw、補正はPhotoshopCCを使用しています。
 
東京駅〜秋葉原駅41
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO2500, 撮影モードマニュアル
 
線路の下に連なる会社や倉庫などが印象的な風景です。レンガの外壁がレトロ感を醸し出しています。
 
 
東京駅〜秋葉原駅42
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO4000, 撮影モードマニュアル
 
街灯と電線、壁に映る電線の影が面白そうだったのでシャッターを切りました。街灯の下でも光は足りずにISO感は4000になりました。
 
 
東京駅〜秋葉原駅43
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO1000, 撮影モードマニュアル
 
楽器を演ったことがある人にはとても有名な神田商会です。
 
 
東京駅〜秋葉原駅44
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO3200, 撮影モードマニュアル
 
電車が来たので、ガード下を歩く人と電車をフレームに入れてみました。
 
 
東京駅〜秋葉原駅45
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO1800, 撮影モードマニュアル
 
大きな通りに出たところで、街路樹を絡めて案内標識を撮りました。
 
 
東京駅〜秋葉原駅46
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO250, 撮影モードマニュアル
 
万世橋の手前に見えるのはおなじみ肉の万世です。ガード下の良い雰囲気です。
 
 
東京駅〜秋葉原駅47
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO500, 撮影モードマニュアル
 
秋葉原電気街の綺羅びやかな光が見えてきました。
 
 
東京駅〜秋葉原駅48
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO6400, 撮影モードマニュアル
 
万世橋の上から神田川と月を撮りました。ISO感が設定上限まで達して、とてもノイジーな画になりました。
 
 
東京駅〜秋葉原駅49
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO2200, 撮影モードマニュアル
 
カメラメーカーが設定した夜景の明るさってな感じの画です。
 
 
東京駅〜秋葉原駅50
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO2500, 撮影モードマニュアル
 
萬世橋のプレートを撮ってみます。夜の撮影で、Milvusがどの程度のディテール表現が出来るのかをテストしたかったんですけど明るすぎました。
 
 
東京駅〜秋葉原駅51
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO2500, 撮影モードマニュアル
 
万世橋から見える神田川沿いに並ぶレストランの灯りを撮りました。水面の反射と奥に見える空のグラデーションがこの画のキモです。
 
 
東京駅〜秋葉原駅52
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO280, 撮影モードマニュアル
 
艦これの懸垂幕を中心に明るい秋葉原の街を撮ります。開放気味ですけどISO感も下がってクリアな画像です。
 
 
東京駅〜秋葉原駅53
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO220, 撮影モードマニュアル
 
都内の主要道路には大型の観光バスが似合います。
 
 
東京駅〜秋葉原駅54
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO400, 撮影モードマニュアル
 
大好きな「夜の交差点」シリーズの綺羅びやか編です。手ブレが怖いですけど、もうちょっと暗めに撮りたかったです。
 
 
東京駅〜秋葉原駅55
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO1100, 撮影モードマニュアル
 
ヨドバシカメラのラッピングが施された路線バスです。一眼レフカメラのレンズの部分にタイヤを持ってくるアイデアは面白いと感じました。そしてメーカー名が書いていなくても一見してニコンのデジイチだと分かります。窓ガラスに映る信号待ちの歩行者が結構リアルで、ボカすのに苦労しました。
 
 
東京駅〜秋葉原駅56
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO64, 撮影モードマニュアル
 
世界のラジ館前を撮りましたけど、ISO64になって夜らしさが出ていると感じます。
 
 
東京駅〜秋葉原駅57
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO125, 撮影モードマニュアル
 
アキバらしい光景だと感じます。もう少し絞れましたね。
 
 
東京駅〜秋葉原駅58
D810, 35mm, f/2.8, 1/30, ISO110, 撮影モードマニュアル
 
最後に駅前から振り返って撮りました。大勢の人が通行していました。
 
今回は以上です。
 
 
Milvus T* 35mm F2縛りでの夜景撮影は如何でしたでしょうか。今回歩いたルートでは、派手で綺羅びやかな街や、物静かでレトロな街などが一日で見られて楽しかったです。
 
肝心のMilvus T* 35mm F2については、D810に装着して持った際の重さやバランスがとても良くて、持ち歩きには最適で使いやすいと感じました。ネックになるのは絞り開放でF2だということがあると思います。
 
F1.4は使ったことがないので想像でしかありませんけど、そこはやはり全く違うと思います。これは開放だけではなく、例えばF5.6くらいで撮ったとしてもF1.4とF2では、レンズ設計や材料の違いからくる明らかな違いを感じることでしょう。
 
これは他社のレンズでも同じで、例えばニッコールで同じ画角のf/1.8とf/1.4でも、画の印象からしてまったく違いますから、より高画質を求める人は妥協せずに一番明るいレンズを買うべきだと思います。
 
Milvus T* 35mm F2については、カール・ツァイスレンズらしさを感じる高コントラストな性能をしっかりと持ちながら、Milvus T* 35mm F2というキャラクターを作り出していると感じました。
 
初めて使うDistagonタイプの印象は、Planarほどファインダーに派手な画を映しませんけど、撮影された画は思った以上に色乗りとキレが良い画を残してくれる印象です。
 
例えば神田の線路沿いの暗い夜道でも、少ない光を捉えてしっかりとオブジェクトの色を表現していると感じました。そしてもうひとつのツァイスらしさは、開放気味で撮ったフォーカスから外れている部分も高詳細なことです。
 
ボケについては、開放で撮ってもF2なのでボケ味はマイルドです。F1.4のようなボケ味を求める人には物足りないところだと思います。また35mmという準広角と言われる画角の場合、標準画角や中望遠の画角に比べるとボケ難い画角でもあります。
 
なのでパンフォーカス気味に撮る人や、持ち歩くことを重要視する人にはオススメです。ボケ具合については、被写体と背景の距離を考えて撮ることでそれなりにボカせるとは思いますけど、背景のディテールも詳細に撮るツァイスですからあくまでそれなりだと思います。
 
マニュアルフォーカスレンズなので、これも重要なことですけど、フォーカスリングの使い心地は、手応えはあるけど重すぎない絶妙な回し心地で、これもツァイスらしいところだと思います。
 
フォーカスリングのストロークはPlanarよりも長い印象があって、Planarを使っている感覚で回すとまだ足りない、と感じます。これには慣れが必要だと思いますけど、動きが穏やかなので、ジャスピンに向けて追い込みやすいストロークと言えるかも知れません。
 
個人的には今のところPlanarの方が好きなキャラクターですけど、使い込んでいくうちに気が変わるかも知れません。それほど夜の撮影結果が良い意味で予想外でした。このレンズの理解を深める事で昼間の撮影も変わってくる気がしますので、引き続き“情熱を持って”使っていきたいと思います。
 
 
次回は、久しぶりに雨が降った日の翌日に、湿度の高いときに見える風景を求めて山の方に車で行きましたけど、完全に読みが外れた。という日に撮った画をご紹介します。
 
宜しければまたお越しください。
 
 

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