メディアで見るプロの話を信用する?しない? & 天気を読み違えて車でフラフラ、最後に富士山を撮った朝




仕事関係の知り合いがカメラをやっているという話を聞きました。その人は星が大好きで、天体望遠鏡を使って星空を見たり写真を撮ったりしているらしいです。
 
その人はトラブルがあると“無敵な人”になってしまうタイプの人なので、実はとっても苦手です。なのでプライベートでは関わりたくないんですけど、なぜか写真とかカメラとかの話になりました。
 
マズったな〜と思いつつ腰が引けた状態で話を聞いていましたら、カメラ本体はニコンのD5600を使っていること、サードパーティ製の70-200mm f/2.8を最近買ったこと、などの情報が勝手にw入ってきました。
 
さらにその70-200mmにテレコンをカマしているとか、D5600は星夜撮影用に改造しているなどの話をしていましたけど、70-200mm f/2.8がとても気に入っているらしく「レビューを読んでいたら、プロが良い評価をしていたから買った」と言っていました。
 
「え?!マジで?!」と思いましたけど口には出さずにいました。そして心の中で「そうか、そういう人もいるんだな」と同時に思いました。
 
私は子供の頃からギターを弾いていたので、メディアなどでプロが何を使っているとか、新製品レビューで好きなギタリストが絶賛していた、などの機材に関する情報を鵜呑みにして、欲しい機材がコロコロと変わっていた時期がありました。
 
しかし別の情報では違うギターを使っていたり、ライブで実際に見ると、これまた違うギターを弾いていたりと、追いかけるのがバカらしくなったりもした学生時代でした。
 
大人になって考えると、プロっていうのはそれだけで食べていける人のことなので、仕事をお金にすることが何よりも大事な訳です。ですから、実際に使っていなくても、それほど悪いものでなければ、仕事として頼まれれば良いレビューでも書こうってもんです。
 
まあ自身の信用に関わるので嘘はつかないでしょうから、プロのレビューを信じるのもありかも知れません。ただ、プロカメラマンの誰それがミラーレスに転向したとか、メーカーを乗り換えたとかいう噂は話半分に聞いたほうが良いと思います。
 
私は、どちらかといえばプロのレビューよりも、自分のお金を使って失敗したり、苦労したりしたアマチュアの話のほうが信用できると思います。ただこれにも偏りやセンスの有無などもありますので、人を選んだほうが良いのは言うまでもありません。
 
楽器でもそうですけど、結局はお金を出して買って、そして使ってみないと自分に合った道具かどうかは判らない。ということだと思います。だからこだわる人は、同じ画角の単焦点を何種類も持っていたりするのかも知れません。
 
これは想像ですけど、前述した70-200mm f/2.8レンズ、そのプロがニコンを使っているのか、キャノンを使っているのかは知りませんけど、かなりの高確率でメーカー純正品のレンズを使っていると思います。
 
 
さて、ずっと雨が降らずに晴れの日が続いていた冬の日、久しぶりに雨が降りました。雨が降った翌日の朝は湿度が高い、と勝手に思い込んで山の麓に霧がかかる風景が見たいと車を出して撮影に行きました。
 
しかし、そこはさすがに天気の素人。強風で雲が運ばれたのか、完全に予想は外れて、スッキリ遠くまで見渡せるクリアな風景が目の前に広がりました。
 
以前、車で通過した際に見かけた靄がかかった山は見られず、がっかりした私は少し山の中へと移動を始めますと、山の中は雨ではなく雪だったようで、街路樹に雪が残った景色の中進みました。
 
雪が残っていたため事故ってはいけないと市街地に向かって走りました。風が強くクリアな景色ということで、木更津港から富士山が見えるかも知れないと思い、中の島大橋に向かいました。そこで、その日持って行ったレンズのすべてを使って富士山を撮りました。
 
 
撮影は愛機ニコンD810、レンズは単焦点レンズ(Carl Zeiss Milvus T* 35mm F2 ZF.2)、(Carl Zeiss PLANAR T*1.4/50mm ZF.2)、標準ズームレンズ(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR)、望遠ズームレンズ(AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-ED)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はCameraRaw、補正はPhotoshopCCを使用しています。
 
天気読み違い01
D810, 70-300mm(110mm), f/8, 1/125, ISO110, 撮影モード絞り優先オート
 
国道で信号待ち時に見える風景でもかなり遠くまで見渡せます。
 
 
天気読み違い02
D810, 35mm, f/8, 1/40, ISO360, 撮影モード絞り優先オート
 
途中、立ち寄ったコンビニの駐車場のアスファルトが凍結していました。
 
 
天気読み違い03
D810, 35mm, f/8, 1/250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
自分が勝手に思い込んでいたとはいえ、どの方向を見てもクリアな視界です。
 
 
天気読み違い04
D810, 35mm, f/8, 1/200, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
朝早めなので、山の影に入っている部分と日が当たっている部分の明るさの差が見えています。
 
 
天気読み違い05
D810, 35mm, f/8, 1/200, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
こちらの方向には、距離は遠い感じですけど低い位置に雲が見えます。上から見下ろせるようなスポットがあれば、雲海が見られたかも知れないと思いました。ですがそちらには行かずに、ここからほど近い山へと向かう道に入っていきます。
 
 
天気読み違い06
D810, 70-300mm(70mm), f11, 1/125, ISO1100, 撮影モード絞り優先オート
 
先程の撮影ポイントから山の方に4〜5分車で走ったら、はっはっは、雪が残っていました。どうりで車通りが少なかった訳です。
 
 
天気読み違い07
D810, 70-300mm(70mm), f11, 1/80, ISO1400, 撮影モード絞り優先オート
 
あまり車は通っていなかったんですけど、Uターン中にたまたま車が来て突っ込まれたら嫌なので、このままスローペースで進みます。
 
 
天気読み違い08
D810, 70-300mm(70mm), f11, 1/80, ISO800, 撮影モード絞り優先オート
 
街路樹の枝に雪が積もってきれいでした。これはブレてしまいました。
 
 
天気読み違い09
D810, 70-300mm(70mm), f13, 1/250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
事故なく市街まで戻ってきました。中の島大橋の駐車場に車を停めて見てみますと、やっぱり富士山が見えていました。
 
 
天気読み違い10
D810, 70-300mm(195mm), f13, 1/200, ISO110, 撮影モード絞り優先オート
 
新日鐵住金の製鐵所です。これはいつでも見られますけど、いつになくクリアに見えます。煙突の煙が真横に流れるほどの強風でした。
 
 
天気読み違い11
D810, 70-300mm(98mm), f13, 1/200, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
ちょっと引いてみます。上の画でも判りますけど、この画はさらに水平線が湾曲しているのが判ります。2枚ともレンズ補正を初期設定でかけています。
 
 
天気読み違い12
D810, 35mm, f/14, 1/160, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
Milvusにレンズ交換してみます。35mmの画角ですから富士山はかなり遠いですけど、広く撮れているので空のグラデーションが美しいです。水平線が波打っているように見えますけど、それはレンズ補正のせいだと思います。
 
 
天気読み違い13
D810, 35mm, f/11, 1/250, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
上の画はf/14だったところ、f/11にして撮ってみます。富士山を中心に捉えました。
 
 
天気読み違い14
D810, 50mm, f/9, 1/400, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
次はPlanarを試してみます。これは絞りも良さげです。
 
 
天気読み違い15
D810, 24-120mm(120mm), f8, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
24-120mmに交換してテレ端で撮ります。富士山の上に写っている黒いのは鳥です。ディスプレイにゴミが付いているのかと思って拭きましたけど、当然取れませんでしたw
 
 
天気読み違い16
D810, 24-120mm(55mm), f8, 1/500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
標準画角まで引いて製鐵所と富士山を同時に撮ってみます。Planarで撮った画にとても良く似ていますけど、若干色乗りが違います。
 
 
天気読み違い17
D810, 24-120mm(120mm), f14, 1/160, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
またまた24-120mmのテレ端で、今度は富士山を中央にして撮ります。
 
 
天気読み違い18
D810, 24-120mm(34mm), f16, 1/125, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
24-120mmを使って今度はMilvusに近い画角で撮りました。絞りすぎたせいもありますけど、低コントラストな画になりました。
 
 
天気読み違い19
D810, 24-120mm(120mm), f16, 1/125, ISO110, 撮影モード絞り優先オート
 
f/16まで絞ったままテレ端で撮ります。こちらも色乗りが悪くコントラストも低くなりました。
 
 
天気読み違い20
D810, 70-300mm(195mm), f16, 1/200, ISO140, 撮影モード絞り優先オート
 
レンズを70-300mmに交換して絞りはそのままで撮りました。
 
 
天気読み違い21
D810, 70-300mm(100mm), f16, 1/160, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
船が通ります。近くにある船はとても色鮮やかに見えます。
 
 
天気読み違い22
D810, 70-300mm(86mm), f16, 1/125, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
今度は船と製鐵所を撮ります。富士山が入っている画とはまったく違った印象になりました。
 
 
天気読み違い23
D810, 70-300mm(70mm), f11, 1/320, ISO100, 撮影モード絞り優先オート
 
富士山も加えて、少しだけ絞りを戻してf/11で撮りました。色味が結構変わりました。
 
今回は以上です。
 
 
山の麓にかかった靄を撮るという、当初に狙ったような撮影が出来なかったのは残念でしたけど、最後の方ではレンズや絞りを変えていろいろと撮りました。
 
富士山は見えていましたけど、この時間帯に木更津から見える富士山は、輪郭が薄く見えて空との区別がつきにくく、ガラケーなどの解像度の低いカメラでは写真を撮っても富士山が写ってないということもあると聞きました。
 
そんな富士山の輪郭を、なるべくはっきりさせようと絞っていますけど、絞り過ぎは良くないということも良く分かる画が撮れたと思います。ここは当然、適正値で撮ることが重要なんでしょうけど、ハイコントラストに見える絞りの適正値はレンズによっても違います。
 
そういったことを考えながら撮っているのも楽しかったりしますけど、何度も撮り直せる場面ばかりではありませんから、可能な限り一発で決めたいところです。そういう意味では日頃の撮影から一枚、一枚、ちゃんと経験値にして積み上げないといけませんね。
 
まあレンズごとに違いがあるとはいえ、だいたい“その辺り”の絞りにしておけば良いでしょ。という絞りがありますから、シャッターチャンスが何度もない場面では“その辺り”で撮ってみるのも良いかも知れません。
 
それもこれも経験値を積み重ねることで“その辺り”の誤差が小さくなると思います。なので、たくさん撮って経験を積む努力をしたいと思います。
 
 
次回は、これまた久しぶりに袖ケ浦公園へ猫を撮りに行きましたが、実はこの日も天気に翻弄された撮影になりました。
 
宜しければまたお越しください。
 
 

 
 
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