Carl Zeiss MILVUS 1.4/35が発表になって思ったこと & 涼を求めてプチ山へ


 
最近のこのサイトは、カール・ツァイスファン、またはカール・ツァイスに興味を持っている方に多くご覧頂いているようで、カール・ツァイス系の記事へのアクセスがとても多いです。
 
他にも、“ニコンD810のブログ”というのにもご興味を頂いているようで、このサイトを始めた頃に比べると、ご覧頂いている皆様の層が変わってきたと感じることもあります。
 
しかしそんな私のサイトを経由して、エントリー系のデジイチを購入される方も多いので、アクセス数が増えると同時にエントリーオンリーのサイトという性質からマニアックな層の方にも少しずつご覧頂いているということかもしれません。
 
そんなマニアックなレンズのひとつ、カール・ツァイスからミルバス(MILVUS)の1.4/35が発表されました。
 
MILVUS1.4/35
(ZEISS公式サイトからスクリーンショット)
 
カール・ツァイスに詳しい方であれば、このミルバス1.4/35が、クラシックモデルのディスタゴンをベースにしていることはご存知かと思うのですが、ディスタゴン1.4/35が9群11枚なのに対して、ミルバス1.4/35は11群14枚のレンズ構成になっています。
 
これは、ミルバスはディスタゴンに比べて、より重く、より長く(大きく)なっているということで、ミルバスではディスタゴンの301gプラスの1131gで、全長もプラス30.4mmの126mmという、随分ヘヴィーなレンズになっています。
 
これを私の愛機D810に装着することを想定すると、外観も結構大きくなって、広角単焦点レンズながら重量は本体込みで2Kgをゆうに超えてきてしまいます。さらにもしもD5に装着したと想定すると2.5Kgを超えてくるというw w w
 
これまでも思うことはありましたけど、画質を追い求めていくと“一眼レフは体力勝負!”という図式がさらに強まっていく感覚になります。
 
自称“体力がないから一眼レフは使わない”ツァイスマニアのhologonさんに話したところ、やはりデジタルのセンサーに良い角度で光を取り込むためにはどうしても鏡銅が長くなったり、レンズ構成が同じディスタゴンでもレンズ枚数などが変わってくるということで。
 
「ふ〜ん、じゃあミラーレスに転向した方が良いんですかね」って言ったら、hologonさんには「Red_Shieldさんには一眼レフを極めて欲しい」と、言われました。自分としてもファインダーを覗いて撮るのが好きなので、今さらEVF機などをメインで使う気にはまったくなれません。
 
ということで、重くて大きい一眼レフカメラを振り回しても画像をブレさせないという体力と気力を最低限維持し続けたいと考える私でした。
 
 
さて、まだ夏と言うには暦が早い時期だというのに暑い日が続いていたある日、涼を求めて山の方にクルマで出掛けてみました。最近は海に行くことが多いのですが、海は輝り返しが強い割に日陰がないので、その時は山の方が涼しくなれそうだと考えました。
 
ただ厳密に言うと千葉県には山はないらしく、山と呼ぶには標高が低いので本物の山と比べると気温は低くないです。それでも木陰があったりするので、気分的には涼しげですし、本物の山よりも気軽に行けます。
 
平日の朝に行ったのでクルマの停め場所に気を使いながら、出来れば渓流というかサラサラと流れる水が撮れたら良いな、と思って出掛けました。今回はクルマからあまり離れたくなかったので望遠レンズとD7100も持っていきました。
 
撮影は愛機ニコンD810とD7100、レンズはD810に標準ズームレンズ(AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR)と、D7100には望遠レンズ(TAMRON AF28-300mm f3.5-6.3 XR Di ASPHERICAL A061N)を使っています。撮影時WBはオートですがRAW現像の際に補正していて、RAW現像はLightRoomCC、補正はPhotoshopCCを使用しています。
 
松丘01
D810, 24-120mm(24mm), f/8, 1/50, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
思っていたよりも水の流れが早かった川で、橋の上から撮っています。
 
 
松丘02
D810, 24-120mm(52mm), f/5.6, 1/50, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
上の画像の撮影地から100mくらい移動したら水の流れは穏やかになっていました。良い感じに渓谷感が出ています。
 
 
松丘01-D7100
D7100, 28-300mm(240mm×1.5), f/6.3, 1/125, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
上の画の水が流れているところを望遠レンズで拡大して狙いました。若干ブレちゃったように感じます。
 
 
松丘02-D7100
D7100, 28-300mm(210mm×1.5), f/6.3, 1/200, ISO200, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
少しだけ引いてみましたが、これも詳細感を欠いています。やっぱり手ブレですかね〜。
 
 
松丘03
D810, 24-120mm(24mm), f/5.6, 1/125, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
静かな水面は、あまり美しい色味ではなかったんですけど、いろいろと写り込むさまは面白かったです。
 
 
松丘04
D810, 24-120mm(38mm), f/5.6, 1/80, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル

それほど寄っているわけではないんですけど、狭く切り取った感がある画像になりました。影の部分は川の底が見えます。
 
 
松丘05
D810, 24-120mm(85mm), f/5.6, 1/60, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
視線を戻して中望遠の画角で狙います。曇っていたので水面に写るリフレクションが、面白い表情を見せてくれたと思います。
 
 
松丘06
D810, 24-120mm(24mm), f/5.6, 1/40, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
引きで撮りました。
 
 
松丘07
D810, 24-120mm(24mm), f/5.6, 1/60, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
橋の上から真下を撮りました。これも広角画角の割には寄っているように見えます。曇り空が水面に写っています。
 
 
松丘08
D810, 24-120mm(30mm), f/8, 1/200, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
10分ほど移動したら青空が見え始めました。山と田んぼの緑の中を走る農道がなんとなくシャッターを切らせました。
 
 
矢那01
D810, 24-120mm(24mm), f/10, 1/200, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
そしてまた移動です。今度は30分ほど走ったところで撮りましたが、先ほどとはまるで違う空の青さが眩しいほどでした。すんごい空が撮れました。
 
 
矢那02
D810, 24-120mm(50mm), f/10, 1/200, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
空とダム(沼?)を中心に構図を作りました。日向と日陰もリアルになって良い感じですけど、空の青みは足りない感じです。
 
 
矢那03
D810, 24-120mm(44mm), f/10, 1/160, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
いろいろと試してみます。ここでは遊歩道をフレームに入れて、意識してみました。手前の緑成分が減ってカラーバランスも変わりました。
 
 
矢那04
D810, 24-120mm(78mm), f/10, 1/160, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
違った風景を撮りましたら、中央やや右下あたりに見えるコンクリート製の水路が気になりました。
 
 
矢那01-D7100
D7100, 28-300mm(135mm×1.5), f/6.3, 1/400, ISO200, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
D7100で寄ってみます。それでも風景のディテールを残そうとすると135mm(35ミリ換算で202mm)という画角でした。
 
 
矢那02-D7100
D7100, 28-300mm(78mm×1.5), f/5.6, 1/640, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
空を入れるために引いてみました。78mm(35ミリ換算で117mm)ですので、結果的にはD810でも撮れた計算になりますけど、寄りから徐々に引いて撮っているので撮っている最中は意識していませんでした。
 
 
矢那05
D810, 24-120mm(24mm), f/10, 1/250, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
緑の中を通る道が良いコントラストを見せてくれますけど、構図バランスは結構難しいと感じました。
 
 
矢那06
D810, 24-120mm(24mm), f/10, 1/200, ISO64, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
広くて大きい青空を撮りたくて、でも緑や道路を入れつつ、水面も入って日向と日陰が目立つようw 撮りました。立体的な雲が印象的です。
 
 
矢那07
D810, 24-120mm(120mm), f/8, 1/125, ISO1000, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
それまでは広い画を意識して撮っていましたので、細い路地に入って狭い画を撮ってみようと思いました。竹やぶの手前にある花畑だったのですが、上手く撮れませんでした。
 
 
矢那08
D810, 24-120mm(40mm), f/4, 1/2500, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
路地から見上げるような形で花がたくさん咲いているのが見えました。あまりにベタなのでちょっと嫌だったんですけどw、ベタに撮ってみました。花が影で暗くなっていたのでシャドーを持ち上げて補正しました。狙った通りのベタな画になりました。
 
 
矢那09
D810, 24-120mm(38mm), f/10, 1/2500, ISO800, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
同じ場所で、あえて花をシルエットにして空を強調した画にしてみました。デジタルカメラの場合には撮り手の好みによっていろいろな印象の画を作ることが出来ますね。
 
 
矢那10
D810, 24-120mm(24mm), f/8, 1/30, ISO100, 撮影モード絞り優先オート, WBマニュアル
 
最後に、竹林に立っていたカーブミラーの写している景色が面白かったので、“防犯パトロール実施中”のサインとともに撮りました。相変わらず電線が邪魔でしたけど普段はあまり撮らない画が撮れたと思います。
 
 
今回は以上です。
 
 
久し振りにD7100を持ち出して、D810との2台態勢で撮影しました。ここでご紹介した画像はたったの4枚でしたが、実際に撮影した枚数も少なかったです。
 
クルマで移動していたので、当然移動中にカメラはクルマに置いておいて、降りる時に2台のカメラを持って出て、首にストラップを掛けて撮影していました。
 
2台を首に掛けて交互に撮影していると、D7100は軽くて取り回しがしやすいと感じます。それが悪かったのかもしれませんが、緊張感なく振り回していたために、ブレたように見える画像ばかりになってしまいました。
 
実は画像の詳細感が、D810と比べると明らかに荒いので、それほどブレていなくてもブレたようにみえるのか、またはレンズの描写性能のせいなのかは私には判りません。
 
でも突き詰めていくと、ブレてもいるでしょうし、画像が荒いのもあるでしょうし、多分レンズの描写性能もあるのでしょう。これがこの世界の怖いところで、D7100をメインで使っていた頃には気づかなかった部分で、少なくとも私はもう戻れません。
 
こうなると、D810に装着するレンズの選択肢は自然に狭まってきます。上述したような大きくて重く価格も高いレンズということになってしまうのでしょう。ただ、裕福でない私にとっては簡単なことではありません。
 
カメラ本体の画質や性能が良くなると、良いレンズが必要になる。かと言って、D7100の次をD810にせずにD7200を買えば良かったとはまったく思えないので困ったものです。
 
これは仕方がないのでしょうけれど、無理しすぎない程度に良いツールを揃えていくしかないんでしょうね。そうでなければカメラ自体がどんどんストレスになっちゃいます。もう若干ストレスになってますけどw
 
 
次回は、またいつもの一宮で、いすみ市の玉崎神社とその周辺を歩きながら撮りましたので、宜しければまたお越しください。
 
 
カール・ツァイスのフラッグシップレンズ、使うと世界観が変わるかもw

by カエレバ

 
 
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