初夏の南房総で撮影、向かう途中で富士山のアタマが浮かんで見えた。

by カエレバ

最近仕事でCANONの一眼レフカメラのRAWデータを扱うことがありました。通常プロのカメラマンの場合には現像したJPGデータを渡されるので、RAWデータを預かって作業するのは初めてのことでした。
 
というのも、そのカメラの持ち主はプロではなくハイアマチュアでもない「カメラは持ってはいるけれどf値ってなに?」という人でしたので、「とりあえず使える写真があるかどうか分からないけどカードごと持って行って」と言われてSDカードを預かってきたのでした。
 
カードの中には350枚ほどの写真が入っていましたが、使える写真は25枚ほどと私よりも確率が低かったです。殆どの写真がピンぼけや手ブレでしたのでその確率も致し方ないところかも知れません。
 
その人の技術はともかく、CANONのRAWデータを見る機会がない私にとっては興味深かったです。機種はCANON EOS Kiss X3という、現行から4つくらい前のエントリー機です。
 
その人がいつ頃そのカメラを買ったのかは聞いていませんが、2009年の発売なので少し前の機種という印象です。本体はとても軽くてキャノンのエントリー機らしいカメラです。
 
カメラを始めた時のイメージで、キャノンは高コントラストというイメージもありましたし、白に強い記憶色というところにも興味がありました。多分それなりの人が撮影すれば違った印象を持つかも知れないのはニコンでも同様かと思います。
 
画像を開いて見てみた感想としては、鮮やかで彩度が高く肌色に赤味が掛かる傾向が見受けられました。撮影者はマニュアル撮影などもしていますが、カメラに対して色味を補正したりはしない人だと思いますから、メーカーの出荷時の設定に近いと思われます。
 
最近ではニコンのRAW画像に慣れてしまっていたので、ちょっと戸惑うくらいでしたが、“撮って出し”が良いと言われる実力の片鱗が感じ取れた気がしました。
 
個人的にはニコンに慣れてしまったので、補正をしっかりやるのであればニコンの色の方が素直で触りやすい印象を持ちましたが、RAWを触っていたらキャノンのカメラも欲しくなってきてしまいましたw なんちゃって。
 
 
さて、今年2回目の南房総市に用事があって行った時の話です。
 
その日は前日まで天気が崩れるかもしれないという情報で、あまり期待はしていませんでしたが、当日になるととても清々しい初夏の陽気です。初夏と言ってもこのサイトの時間軸では梅雨入りの前ですから、湿度は感じますが爽やかな良い天気です。
 
南房総市に向かっている途中に西の方に目線を向けると、とっても綺麗な富士山が見えました。ただ、肉眼で見ているのを写真に残そうと思うととても難しいのも遠くの富士山で、いろいろ試してみましたが、思った通りには撮れませんでした。
 
その後、南房総市に行って、ここ最近何度か停めている駐車場から前回は西に歩いたので今回は東に歩いて、駐車場〜野島崎灯台の手前までの道(片道約3.5km)を歩きながら目に付いたものを撮りました。
 
 
撮影は愛機ニコンD7100、レンズは標準ズームレンズ(AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR)と、望遠ズームレンズ(TAMRON AF28-300mm f3.5-6.3 XR Di ASPHERICAL A061N)を使っています。撮影時にはWBはオートですがRAW現像の際に変更(ニコン純正CaptureNX-Dを使用)していることがあります。
 
 
富士山01
28-300mm(300mm), f/11, 1/250, ISO100, 絞り優先オート
 
肉眼ではクルマを停めて撮影するほどにクッキリ見えていたのですが、後で写真を見るとぼやっとしか写っていませんでした。本当に人間の眼って素晴らしいですね。
 
 
富士山02
28-300mm(210mm), f/16, 1/125, ISO100, 絞り優先オート
 
さらに絞ってコントラストを高める意識で撮りました。う〜ん…こういった富士山はどう撮れば良いのでしょう。天空に浮かぶなんとかが逆さまになったかのような雰囲気です。前回記事の腐海の底に引き続いてのジブリネタですw
 
 
富士山03
28-300mm(155mm), f/16, 1/125, ISO100, 絞り優先オート
 
富士山が思い通りに写っていないことを除けば、多少モヤッてはいますが良い風景です。
 
 
富士山04
28-300mm(120mm), f/16, 1/125, ISO100, 絞り優先オート
 
見えづらいかもしれませんが水平線の右寄りのところ、フェリーが入ってきました。
 
 
東京湾01
28-300mm(38mm), f/16, 1/125, ISO100, 絞り優先オート
 
岩場越しの東京湾です。この画像はJPG撮影なのですが、ニコン純正のViewNX2でD-ライティングHSとかいうのをちょっと触ったら「パ」っと明るくなって驚きました。これは気をつけないとコテコテになりますね。左端の大きな船が迫力です。
 
 
富士山05
28-300mm(85mm), f/16, 1/125, ISO100, 絞り優先オート
 
ここまで引くと富士山はほとんど認識できないくらいです。これは右の工場の煙突が美しいと感じたのでした。
 
 
富士山06
28-300mm(300mm), f/16, 1/125, ISO100, 絞り優先オート
 
こういったアップの画像は好きではありませんが、フェリーを入れたかったので。見事にピンぼけです。
 
 
東京湾02
28-300mm(28mm), f/16, 1/100, ISO100, 絞り優先オート
 
この日は広角で風景を撮ろうと思っていたのに富士山を撮っていたら忘れてました。ハッと思いだしたのですが、標準ズームはクルマに置きっぱなしだったので望遠の広角端で撮りました。
 
 
東京湾03
28-300mm(28mm), f/16, 1/100, ISO100, 絞り優先オート
 
これは別アングルですが、東京湾も悪く無いですね。
 
 
南房総市01
18-55mm(18mm), f/16, 1/160, ISO100, 絞り優先オート
 
南房総市に着きました。先ほどの広角撮影の意識が残っているうちに18mmで撮ります。やはり風景写真には広角が良いですね。超広角レンズが欲しくなります。朝の日差しも入ってきている良い画になりました。
 
 
南房総市02
28-300mm(28mm), f/16, 1/125, ISO100, 絞り優先オート
(RAW現像時:WB晴天, ピクチャーコントロール風景)
 
ここからRAW撮影です。南国の木がフレームに入っていつもの風景です。
 
 
南房総市03
28-300mm(28mm), f/16, 1/160, ISO100, 絞り優先オート
(RAW現像時:+0.5EV, WB晴天, ピクチャーコントロール風景)
 
ハイコントラストな画像です。岩に打ち付ける波の水しぶきが良い感じです。
 
 
南房総市04
28-300mm(240mm), f/16, 1/100, ISO100, 絞り優先オート
(RAW現像時:+0.5EV, WB晴天4900K, ピクチャーコントロールスタンダード)
 
はじめの広角の画にフレームインしている砂浜に刺さっている竹の棒です。なんとなく撮ってみました。
 
 
南房総市05
28-300mm(155mm), f/16, 1/100, ISO100, 絞り優先オート
(RAW現像時:+0.5EV, WB晴天, ピクチャーコントロール風景)
 
おっと、犬がフレームインです。散歩している人がいたのですが、その人と一緒に散歩していたようです。上の画が色温度を下げて青っぽくしているところ、今度は犬が入ったので色温度を上げて温かみを出してみました。しかし思いっきりブレましたw
 
 
南房総市06
28-300mm(300mm), f/16, 1/125, ISO100, 絞り優先オート
(RAW現像時:+0.3EV, WB晴天, ピクチャーコントロールスタンダード)
 
彼です。フットボールでいうところのダイナモのような運動量で動いていましたw シャッタースピード1/125ではブレて見えます。残念ながらピントも来ていませんね。
 
 
南房総市07
28-300mm(130mm), f/16, 1/125, ISO100, 絞り優先オート
(RAW現像時:+0.5EV, WB晴天5100K, ピクチャーコントロールスタンダード)
 
「ゆっくり走ろう房総の道」ハイコントラストな画になりました。ですがこちらとは逆の方向に歩き始めます。
 
 
南房総市08
28-300mm(28mm), f/10, 1/320, ISO100, シーンモード風景
(RAW現像時:+0.5EV)
 
シーンモードを風景にして撮りました。ほとんど何もしなくても結構コテコテになります。Fineで撮る場合はこのままでも良いかも知れませんが、RAWで撮るのであれば後処理のほうが良いこともありそうです。
 
 
南房総市09
28-300mm(28mm), f/10, 1/250, ISO100, シーンモード風景
(RAW現像時:+0.5EV, WB晴天5000K)
 
同様にシーンモードで撮りました。水平線が定規で描いたかのようにクッキリしています。空の白色と岩の茶色が少なくなったので、あえてブルーを強めにしてみました。
 
 
南房総市10
28-300mm(60mm), f/10, 1/250, ISO100, シーンモード風景
(RAW現像時:+0.3EV, WB晴天)
 
なんか立っていました。これ、何だろうか… この画の主役は右の水しぶきなんですけどね。
 
 
南房総市11
28-300mm(300mm), f/10, 1/200, ISO100, シーンモード風景
 
JPGモードに戻しましたがシーンモードは戻していません。これもピントが来ていない上にブレていますね。どうもこのレンズは200mm以上になると極端に難しくなる気がします。
 
 
南房総市12
28-300mm(55mm), f/14, 1/160, ISO100, 絞り優先オート
 
絞り優先オートにします。さっきの鳥をグ〜っと引くと、こんなに壮大です。なんかいろいろ美しいなぁって感じます。
 
 
南房総市13
28-300mm(135mm), f/14, 1/125, ISO100, 絞り優先オート
 
鳥が飛んできたのが視界に入ってきました。何も準備しないで例によってそのまま撮ります。なかなか良い所を飛んでくれませんでw 背景に溶け込んじゃいました。
 
今回は以上です。
 
 
動きのある被写体がとっさに視界に入ってきた時に、なかなか上手く撮れません。はじめに見かけた散歩中の犬などをもっとたくさん撮りたかったところですが、すぐに帰ってしまいました。
 
妹が犬を飼っているので、今度撮らせてもらいたいと声を掛けたら、「いいよ」と言いながら忙しいようで、なかなか時間を作ってくれません。
 
あと、人も撮りたいですね。姪に言ったら即答で「嫌だ」と言われましたので、これもすぐに実現しそうにはありません。お金を払えばモデルさんを雇えますが、それはまだやりたくありませんので、犬も人も、他のものを撮りながらそのタイミングを気長に待つしかなさそうです。
 
 
次回は今回の続きで、春から初夏に切り替わる南房総の風景を撮っています。宜しければまたお越しください。
 
 



 
 
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